連載「教えてユミ先生!睡眠のお悩み解決室」では、気持ちのいい朝に欠かせない「睡眠の悩み」を解決するヒントを、日本睡眠改善協議会認定・睡眠改善シニアインストラクターの竹内由美さん(ユミ先生)に教えていただきます!
今回のお悩みテーマは…「夜中に目を覚まさず朝まで眠るには?」~後編~
朝までぐっすり眠りたいのに、夜中に何度も目が覚めてしまいます。途中で起きずに眠り続けるためのコツはありますか?
※前編の記事「夜中に目が覚めてしまう原因。熟睡を妨げる生活習慣って?」 >> https://asajikan.jp/article/188680
体内リズムを整え、メリハリのある生活を!
朝起きた時に明るい太陽の光を浴びると、体内時計がリセットされて約16~17時間後に眠りやすい状態になります。
日中は深部体温も血圧も高くなって交感神経が優位になり、活動しやすい体になります。夜はその逆で、深部体温も血圧も下がっていき、副交感神経が優位になって眠りやすくなります。
朝まで目を覚まさずにぐっすり眠るためには、この働きを妨げないように規則正しく過ごすことが大切。日中は明るい環境で活動的に、夜は暗い環境を作ってゆったり過ごすようにしましょう。
夏はエアコンやカーテンに工夫しよう
暑い夏は起床時間より日の出の時間が早く、早朝から気温が高くなりがち。そのせいで特に中途覚醒が起きやすくなります。
室温が高いと熱が冷やされにくくなり、逆にエアコンで冷やしすぎると手足の血流が悪くなり、深部の熱が放出されにくくなるため、熱中症や中途覚醒の原因になることがあります。
熱帯夜が続く夏は、睡眠中でも室温26~27℃に保つようエアコンでコントロールするようにしましょう。また、日差しが入らないよう遮光カーテンなどを利用することもおすすめです。
コロナウイルス対策には、入浴がおすすめ!
今年の夏は、もう一つ大切なことがあります。コロナウイルスの影響で外出もままならず、精神的疲労やストレスは増える一方で、運動量が減っているので肉体的な疲労は減少気味。家の中で長い時間座って過ごすことも多いですよね。
この状態が続くと、体は疲れないうえに(適度な肉体的疲労は睡眠の質を高めるために必要です)汗をかきにくくなり、リンパの流れと血流が悪くなります。熱くなった体の深部(脳を含む)の熱は、血管を通して全身に流れて汗の気化熱で放出されるのですが、血流が悪いと深部体温が下がりにくく、眠りにくくなってしまうのです。
言うまでもなく熱がこもった状態は、熱中症のリスクを高めますし、リンパの流れが悪いとむくみやすくなるため、夜中のトイレの原因になることもあります。トイレに行くときの照明で、目が完全に覚めてしまうことも。
血流を良くするためにおすすめしたいのは、きちんと入浴すること。一度体温を上げて代謝を促すことで、深部体温が下がって眠りやすくなります。ただし、長く入りすぎたり、お湯の温度が熱すぎると一層疲れたり、眠りにくくなることもあるので、適度な温度と時間での入浴を意識しましょう。
夜中に目が覚めてしまいがちな方は、室温の管理、体の代謝促進とともに、前編の記事( https://asajikan.jp/article/188680 )で紹介した中途覚醒の原因(老化以外の15項目)を改善しながら、血流を低下させない生活を心がけてみてください。
☆いかがでしたか?次回、9月の記事もどうぞお楽しみに!