だるい、眠い…寝不足・夜ふかしで起こる「日常の時差ボケ」を防ぐコツ

 

連載「教えてユミ先生!睡眠のお悩み解決室」では、気持ちのいい朝に欠かせない「睡眠の悩み」を解決するヒントを、日本睡眠改善協議会認定・睡眠改善シニアインストラクターの竹内由美さん(ユミ先生)に教えていただきます

今回のお悩みテーマは…「時差ボケを防ぐ方法」~前編~

海外旅行に行くといつも悩まされる「時差ボケ」。最近は、海外に行っていないのに、だるかったリ、日中ずっと眠かったり、まるで時差ボケのような症状が起こることがあります。これは時差ボケなのでしょうか?どうしたら防げますか?

海外に行かなくても時差ボケは起こる!?

海外旅行へ出かけると、眠い、だるい、食欲がない、夜眠れない、頭痛やめまいがする、お酒に酔いやすい、乗り物酔いしやすいなど、8割り程度の人が「時差ボケ」の症状に悩まされると言われています。

頭痛

今年は、新型コロナウイルスの影響で、海外旅行をキャンセルした方も多いはず。「おうちで夏休みを過ごすから、時差ボケの心配は無用!」そう思っている方もいらっしゃるかもしれませんが、実は、今回のご質問者のように、海外に行かなくても、時差ボケ状態になってしまうことがあります

日常の中で起こる「時差ボケ」とは?

時差ボケ(英語では「jet lag」)は、その名の通り、日本と海外の時差によって体内時計が作り出す生体リズムと生活時間にズレが生じるために起こります。

私たちの体には「時計」のような仕組みが備わっていることが知られていますが、その時計にはいくつもの種類があり、眠りのリズム、体温のリズム、食事のリズム、ホルモンのリズムなど、いくつもの時計が同調し合って、バランスのいい状態を保っています。

機械時計とは違い、生体リズムは乱れやすく(逆に言えばフレキシブル)、個人差はありますが、1日24時間ではなく25時間程度で動いていると言われています。

太陽の光

その時間のずれを、24時間でうまくまわるよう調整しているもののひとつが、朝起きた時に浴びる太陽のような強い光です。強い光を浴びることにより、脳の中にある主時計が24時間に調整されます。

しかし、例えば夏休みや連休など、朝起きる時間も食事時間もバラバラで、夜ふかしをしたり、運動・睡眠不足の状態が続くと、この体内時計が乱れてしまうことがあります。これが海外に行かずとも日常生活で起こる「時差ボケ」です。

「規則正しい生活」で防ぐしかない

眠る女性

1979年にR. Weverが海外で行なった実験ですが、被験者に外光や時計もない空間で1ヶ月自由に過ごしてもらったところ、起きる時間と体温リズムがどんどん後ろにズレ、2週間後には昼夜逆転。その後、体温リズムと睡眠リズムが一致しなくなり、眠れなくなったり、体調不良を感じたりする人が出てしまったそう。

つまり、朝起きる時間を一定にし、規則正しい生活を送ることが、健康や快眠には大切だということ。時差ボケのような症状を感じたら、生活リズムを整えることを心がけてみてください。

後編の記事では、海外旅行が原因の時差ボケ対策についてご紹介します♪

☆後編は、7月29日(水)朝4時に公開予定です。

 

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Written by

睡眠改善シニアインストラクター 竹内由美

日本睡眠改善協議会認定・睡眠改善シニアインストラクター。日本産業カウンセラー協会認定・産業カウンセラー。
米国Mary Baldwin College心理学科卒業。フリーの編集ライターとして美容や健康などに関する記事に携わり、その経験から睡眠やメンタルヘルスの重要性に気付き、上記の資格を取得。忙しい現代人にこそ良質な睡眠が大切だと、雑誌や講演活動などを通して睡眠について伝えている。
著書には「眠りダイエット」(文芸社)がある。

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