連載「教えてユミ先生!睡眠のお悩み解決室」では、気持ちのいい朝に欠かせない「睡眠の悩み」を解決するヒントを、日本睡眠改善協議会認定・睡眠改善シニアインストラクターの竹内由美さん(ユミ先生)に教えていただきます!
今回のお悩みテーマは…「夕食の時間と睡眠の関係」~後編~
遅くまで仕事しているので、毎日晩ごはんを食べるのが22時頃。朝に胃が重く、なかなかすっきり起きられないのですが、食事の時間が遅いことが快眠できない理由でしょうか?このライフスタイルのまま、できるだけ快眠するためにはどうすればいいでしょうか…。
【アドバイス1】夜遅いなら消化の良い食事をしましょう
前回は腸のリズムの大切さをお伝えしましたが、睡眠、食事、腸などについて、科学的研究やエビデンスが証明され始めてまだ100年あまり。体内時計の存在が明らかになったのもほんの何十年で、どんな方法が健康にとってベストなのか、まだまだ研究中というのが現状です。
- 1日7時間前後の睡眠が病気になりにくいこと
- 不規則な生活が体内時計にとって良くないこと
- 睡眠リズムにはたんぱく質の代謝が大きく関わっていること
などが明らかになっていますが、食事については1日2食が良いという研究者もいれば、1日3食が良いという人もいて、いつ何をどう食べるのが良いのか、断言するまでには至っていません。
睡眠不足になると太りやすくなる?
しかしながら、興味深い報告があります。睡眠不足になると、食欲を促進するホルモンであるグレリンが増え、食欲を抑制するレプチンの分泌が妨げられるというものです。
レプチンは本来、食事(脂肪分が不可欠)をして満腹になると分泌されるホルモンですが、睡眠不足が続くとその分泌が妨げられ、太りやすくなる可能性があるのです。さらに、最近の報告では、夜遅い食事や寝る直前の食事をした場合でも、レプチンが作用しにくくなることもわかってきました。
寝る直前の食事はいいことなし!
寝る直前の食事は、太りやすくなるだけでなく、腸に負担をかけ、消化不良や免疫力低下、夜間高血糖など、体にもたらす悪影響は図りしれません。
忙しい現代人。食事が遅くなることは時にはあると思いますが、慢性的になっているなら、働き方を改善することも考えてみて。
食事が遅くなった時は、消化のよいものを少量にして、翌朝の朝食や昼食をしっかり食べるようにしましょう。また、飲みすぎ、寝る直前のお酒も避けること。アルコールは緊張をほぐし、眠るのに役立つと思っている方がいますが、実は覚醒の働きがあるうえ、脱水も起こしやすくなります。さらに、利尿作用があるため、夜間覚醒の原因にもなるので、気を付けましょう!
夜遅くに食事をするライフスタイルが変えられない方は、食事の量と内容を意識することからはじめてみてくださいね。
☆いかがでしたか?次回、10月の記事もどうぞお楽しみに!