連載「教えてユミ先生!睡眠のお悩み解決室」では、気持ちのいい朝に欠かせない「睡眠の悩み」を解決するヒントを、日本睡眠改善協議会認定・睡眠改善シニアインストラクターの竹内由美さん(ユミ先生)に教えていただきます!
今回のお悩みテーマは…「夕食の時間と睡眠の関係」~前編~
【アドバイス1】腸のリズムを整えましょう
大きな関わりがある「腸」と「睡眠」
ご質問にあるとおり、食事の時間と睡眠は深く関わり合っています。
私たちの体には時計のようなしくみ(体内時計)が備わっていると以前の記事でもお伝えしましたが、その体内時計が存在しているのは、脳の視交叉上核という部分。
朝起きたときに強い光を浴びることで、24時間という地球が持つ1日のリズムに合うようにリセットされます。
しかし、体内時計は視交叉上核だけでなく、実は全身の多くの細胞や組織にも存在しています。そして、視交叉上核の体内時計は、まるでオーケストラの指揮者のように、様々な末端の体内時計と同調しあって、健康を保っています。
お腹が減るとグーッとなることを「腹時計」などと言いますが、まさにその通りで、腸にも時計があり、睡眠リズムや免疫力のリズムなどにも影響すると言われ、健康の大きな要だと言われています。
夜に寝るのは、生き延びるため!?
日中起きて夜眠るというライフスタイルは、太古の昔、電気などない時代に形成されたものと言われます。太陽が昇っている日中は食料を獲得しやすく、真っ暗になる夜間は、野生動物などから身を守るために動かず眠ることが適していたからです(大型恐竜が存在していた時期などは違っていたとも言われますが…)。
つまり、睡眠のリズムは、効率よく食料を得るために形成されたものとも考えられ、食事のリズムは睡眠リズムに深く関わっていると考えられます。
健康や快眠のために避けたい「遅い時間の食事」
しかし、電気が発明され、私たちの生活スタイルは大きく変わりました。
電気の誕生からわずか140年。地球の成り立ちからみたら、ほんの一瞬です。寿命が延びていることから判断すれば、現代の生活は、睡眠も食事も良くなったとも考えられますが、それには医療の発達が大きく影響しています。
現代人の多くが陥りがちな、睡眠不足、ストレス過多、不規則な食事が健康に良いかと言えば…決してそうではありません。
昔の人はしていなかった、夜遅い食事や寝る直前の食事…忙しいと誰もがしてしまいがちですが、食事を消化し、栄養を体に取り入れるという作業は、体のあらゆる組織に影響し、負担をかけることでもあります。つまり、睡眠にも深く関わることを覚えておきましょう。
睡眠のためにはどんな食事がよいのか、そして、仕事が遅い場合の夕食のとり方については、後編の記事でご紹介しますね!
☆後編は、9月30日(月)朝4時に公開します。