連載「教えてユミ先生!睡眠のお悩み解決室」では、気持ちのいい朝に欠かせない「睡眠の悩み」を解決するヒントを、日本睡眠改善協議会認定・睡眠改善シニアインストラクターの竹内由美さん(ユミ先生)に教えていただきます!
今回のお悩みは…「寝る時間が遅く、疲れやすい」~前編~
仕事や予定が立て込んで、帰宅時間が遅い日が続くと、どうしても睡眠不足になって疲れやすくなってしまいます。これからの年末年始シーズン、寝るのが遅くなっても疲れをためないためには、どうすればいいのでしょうか…?
【アドバイス1】適度な「仮眠」を取ろう
年末が近づいてくると、残業や飲み会が増え、帰宅時間が遅くなりがちですよね。始業時間が決まっている会社員の場合は、夜寝るのがどんなに遅くても、翌朝早く起きなければならず、気付いた時には体がクタクタ…。
そんな状態に陥らないようにするためには、睡眠時間、食事の栄養バランスだけでなく、日中、そして1週間の過ごし方に気をつけることが大切です。
20分弱の「昼寝」でリフレッシュ!
ベッドに入る時間が遅くなった翌日に取り入れてみてほしいのが、仮眠や昼寝。
可能なら、ランチの後など、午後早めの時間に20分程度でも眠るのがおすすめです。
部屋を暗くしてお布団に横になるような、ちゃんとした睡眠は必要ありません。電車に乗ってウトウトする、机に伏して目をつむる…そんな仮眠でOK。少しの時間眠るだけで、午前中までの疲れがリフレッシュできます。
ただし、30分以上眠ったり、午後4時以降の昼寝は避けること。長く眠ってしまうと眠りが深くなり、だるさを感じて、逆に目覚めにくくなってしまいます。
また、夕方以降の睡眠は、寝つきにくいなど、夜の睡眠に影響を与えてしまうおそれがあります。
短時間で目覚めるためには、仮眠や昼寝の前に濃い緑茶やコーヒーなどを飲んでおきましょう。カフェインは飲んでから30分程度で効果が出てくるため、短い時間の眠りから目覚めやすくなります。
【アドバイス2】週に1日は早く帰ろう
そして、もうひとつ、忙しい時期に疲れをためないためには、1週間ずっと遅くなるような生活をしないことが大切。
例えば、週の半ば、水曜日か木曜日には残業をしないなど、平日1日だけでも早く帰れる日を作るようにしましょう。
このようにメリハリのある生活スタイルは、「バリバリ働きたい!」そんな人にこそ、実践してほしいセルフマネージメントにひとつです。
「寝だめ」習慣がある人は注意!
「寝だめ」という言葉はありますが、私たちの体は、通常は寝だめはできません。
平日はずっと睡眠不足で、日曜に午後まで眠るといった極端な生活をする人がいますが、そんな生活は体調を崩す原因になってしまいます。
「まだ若いから」「体力には自信がある」という方にも、慢性的な睡眠不足や不規則な生活はおすすめできません。
昨今「過労死」が問題になっていますが、睡眠不足が続くと、体が危機を感じ、自律神経が乱れて交感神経が異常に優位になってしまったり、ストレスホルモン(コルチゾール)が大量に分泌されるなどして、眠りにくくなってしまうことがあります。
それにより、疲れているはずなのに、眠れない状態になってしまうことがあります。それを体力があると勘違いしたり、逆にさらに眠れなくなって負のスパイラルに陥ると、心や体の調子を崩す原因になってしまいます。
こんな理由から、「若いから」「体力には自信がある」という方も、くれぐれも注意が必要です。
いつまでもバリバリ働くためには、まずは健康な体が大切。週末の寝だめで疲れをとった気になるような生活は避け、平日のうち1日だけでも早めに眠る日を作りましょう。
後編の記事では、寝る時間が遅くても疲れをためないための、夕方以降の過ごし方、食事のとり方など、短時間でも質の良い睡眠をとるためのコツをご紹介します。
☆後編は、11月29日(金)に公開します♪