朝読書におすすめの本をご紹介する『まっこリ~ナのCafe BonBon』。小説やエッセイ、暮らしや料理の本など心に効く本をセレクトしています。
今日の「まっこリ~ナのカフェボンボン」の本棚は、『スペイン旅行記』。
『ダーシェンカ』『長い長いお医者さんの話』『園芸家12カ月』などで知られるチェコの作家カレル・チャペックのエッセイ集。スペインの素晴らしい魅力を伝える旅行記です。
『スペイン旅行記―カレル・チャペック旅行記コレクション』
著者:カレル チャペック/翻訳:飯島周
出版社:筑摩書房
チャペックがスペインを旅したのは90年前のこと。1929年当時のスペインは現在とはだいぶ様子が異なっているでしょう。けれど、スペインという国の中心にあるのが人々の熱いハートであることは、いまも昔も変わらないようです。
マドリード、トレド、セビリア、マラガ、バレンシア、バルセロナなどを周り、スペインが生んだ画家たちや有名な美術館や建築物、王宮や庭園、フラメンコ、闘牛、ワインなどについて、温かく、かつ鋭く観察し、黒髪に黒い目をした女たちの美しさに驚嘆する。
セビリア(セビーリャ)の町で、美しい花と棕櫚が茂るパティオのある家を巡りながらチャペックが思うのは、「世界中どこへ行ってもそこには家庭と家族がある」ということ。スペインについて、「その燃えるような、うららかな国は、家族の暖炉を持たない。家族のパティオを持ち、そこでは神のような人びとを通じて、彼らの休息を、その子どもたちを、その日々の祝祭を見る」と感慨深く記しています。
極上の旅行記が案内する、芸術と情熱の国。何度でも読み返したくなる名エッセイです。90年前の美しく活気に満ちたスペインを、チャペックの視点を通してたどる至福のひとときをお楽しみください。
カレル・チャペックの本、以前ご紹介したこちらもぜひどうぞ。
*『園芸家12カ月』
*『ふしぎ猫ブドレンカ』
*『ダーシェンカ 子犬の生活』
ラブ&ピースな一日を。
Love, まっこリ〜ナ
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