同時に来た裕也からのメッセージに救われた。
「今日もがんばるのよ!シンデレラ」
シンデレラと呼ばれているには訳がある。
私が、ダイエットに成功して、いい旦那さんを見つけるの。30歳からのシンデレラストーリーよ!と宣言したときのこと。裕也は、いまどき、シンデレラストーリーなんて古くさくて奈美っぽいと大笑いし、以来、時々からかってくる。
もう、マイペースが揃うと困る!
感情を乱されながらも、もうすぐ口にしそうだったパンをラップに包んだ。
「セーフ、いま朝から炭水化物食べちゃうところだった」
そう、いつも私は、考えすぎて勝手に疲れて、暴飲暴食に走るのだ。
由加利みたく、人のことなんてお構いなしに行動できればいいのに。また、腹が立ってくる———。
でもなんだか、引き寄せられてしまう。カンボジアに学校なんて夢のある話だ。
今日の朝はそんなこんなで時間がない。
「スイカジュース」
1種類でもいい、気楽にスムージーをつくって飲み干したらあっという間に出勤時間だ。
「おはようございます!」
いつもより少し大きな声で挨拶を。いつパンをお召し上がりいただこうか。
(この小説は、毎朝5時更新です。続きはまた明日!)
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物語の登場人物
佐藤奈美(30)特許取得を専門とする弁理士事務所に勤める事務員。
結城紗江(30)中堅劇団の舞台女優。奈美と大学サークルの同期。
森野由加利(30)投資銀行に勤めるキャリアウーマン。奈美と大学サークルの同期。
近藤安子(30)専業主婦。一児の母。奈美と大学サークルの同期。
遠野裕也(30)紗江の大学時代の恋人。
伊藤慶太(34)奈美の行きつけの美容室のスタイリスト。