ロンドンのフラワーアレンジメントの学校に1週間。そのあと、ショップで実践1週間。
夢のような短期留学。
上司には、正直に事情を説明した。辞める覚悟だったけど、支店長は理解を示してくれた。同僚も快く送り出してくれた。本当に感謝している。
順調に学校を終え、友達もできた。ショップの実践も、もう最終日。
実は、半年前から毎朝1時間英語の勉強を続けていた。その甲斐あり、ショップで働くには困らない英語力がついていた。こんなことになろうとはまったく考えていなかったけど、大きな自信がついた。
本当によく頑張った。
———この瞬間のために。
「please give me an arrangement」
この声は・・・
「for this beautiful lady」
一番会いたかったひと。
「えーーーーっ?」
誠士の声が響く。
「えっと、この女性は、さっきナンパした人で」
(この小説は、毎日更新です。続きはまた明日!)
物語の登場人物
立川萌乃(もえの) 28歳
静岡出身。銀行の一般職。趣味で、フラワーアレンジメントをならう。早起きできる朝美人に憧れている。
新城雪乃(ゆきの) 28歳
萌乃と同じ高校時代からの友人。なんでも出来る格好いい人物として萌乃からは頼りにされている。
藤井倫太郎(りんたろう)28歳
萌乃、雪乃と同じ高校のサッカー部出身で東京の大学へ進み、留学。外資系投資銀行につとめるいわゆるエリート。
木村ことみ 28歳
萌乃の同期で、同じ支店にずっと勤めている。常識人であり現実主義者。
柳原誠士(せいじ)28歳
萌乃とことみの同期入社である、総合職の銀行マン。
近藤裕太(ゆうた)24歳
萌乃がフラワーアレンジメントの教室の隣にあるパーソナルトレーニングスタジオのトレーナー。