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フランスの女流作家コレットの珠玉作『牝猫』

 

今日のカフェボンボンは、『牝猫』

若い新婚の男女と美しい牝猫をめぐる物語。フランスの女流作家コレットの珠玉作です。

20140610

牝猫
著者:コレット/訳:工藤庸子
出版社:岩波書店

金髪の美青年アランは、幼なじみのカミーユと結婚する。新婚生活は目新しく官能的な空気に満たされていた。

だけどアランが熱烈に愛したのは牝猫のサア。彼にとってサアは「最高に素敵な夢みたいに青っぽい、ちっちゃな固まり」。新妻は次第に牝猫への嫉妬心を募らせて……。

不調和の前兆は物語のところどころに散りばめられている。例えば、ベッドの上でアランが無意識にカミーユを撫でるシーン。「その手の動かし方は、やわらかな黒髪よりもいっそうやわらかな、なにかの毛並みを撫でつけることになれた手つき」のように彼女は感じるのだった。

読み返すたびにコレットの猫の描写の巧みさ感嘆する。それから、深く心を通わせる青年と愛猫の絆の強さにも。

アランとサアの「朝時間」は、そろって迎える夜明け。頬と頬を寄せ合い、白みゆく空や白鳩の群れを眺めています。

Love, まっこリ〜ナ

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小説から絵本まで、編集者が選ぶ”朝読書”におすすめの1冊
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まっこリ〜ナ

編集者・ライター

出版社勤務を経てフリーランスに。図鑑や写真集、子どもの本や雑誌などの編集に携わる。本がくれる愛のチカラを糧に生きる日々。いちばん好きな本の主人公は長くつ下のピッピ。
趣味は草花園芸、編み物、ランニング、スポーツ観戦。

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