今日のカフェボンボンは、『牝猫』。
若い新婚の男女と美しい牝猫をめぐる物語。フランスの女流作家コレットの珠玉作です。
『牝猫』
著者:コレット/訳:工藤庸子
出版社:岩波書店
金髪の美青年アランは、幼なじみのカミーユと結婚する。新婚生活は目新しく官能的な空気に満たされていた。
だけどアランが熱烈に愛したのは牝猫のサア。彼にとってサアは「最高に素敵な夢みたいに青っぽい、ちっちゃな固まり」。新妻は次第に牝猫への嫉妬心を募らせて……。
不調和の前兆は物語のところどころに散りばめられている。例えば、ベッドの上でアランが無意識にカミーユを撫でるシーン。「その手の動かし方は、やわらかな黒髪よりもいっそうやわらかな、なにかの毛並みを撫でつけることになれた手つき」のように彼女は感じるのだった。
読み返すたびにコレットの猫の描写の巧みさ感嘆する。それから、深く心を通わせる青年と愛猫の絆の強さにも。
アランとサアの「朝時間」は、そろって迎える夜明け。頬と頬を寄せ合い、白みゆく空や白鳩の群れを眺めています。
Love, まっこリ〜ナ
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