今日のおすすめは、『花言葉をさがして』。
大注目の米国の新人作家が「花言葉」をモチーフに描いた、愛を求めて生きる人たちのビターな物語です。
『花言葉をさがして』
著者:ヴァネッサ・ディフェンバー/金原瑞人、西田佳子訳
出版社:ポプラ社
主人公は心を閉ざした孤児の少女ヴィクトリア。最愛の里親が教えてくれた「花言葉」だけが彼女のよりどころです。
18歳の誕生日にサンフランシスコの小さな花屋で働き始めたヴィクトリアは、花束を作る特別な才能を開花させます。心を映し出す「花言葉」に想いを託した美しいブーケで、彼女は人々に幸せを届けるのですが……。
『人間嫌い』から『愛の告白』へと花言葉が変わる時。怒りや憎しみを表す花言葉を使ってきたヴィクトリアですが、愛し方を知らないかたくなな心が和らいでいく様子に心を揺さぶられます。
印象的な「朝時間」のシーンは、世界中の花が並ぶ早朝の花市場、赤紫のダリアのブーケを手にした誕生日の朝。ダリアの花言葉「尊厳」にヴィクトリアのメッセージが込められています。
本のお供には、菊花茶を。
ヴィクトリアの好きな、ゆらめく花が美しいお茶です。
庭に咲いたバラの花。ピンクのバラの花言葉は「気品」(本書の花言葉事典より)。