今日のカフェボンボンは、アメリカのSF作家レイ・ブラッドベリの『さよなら僕の夏』
永遠の名作『たんぽぽのお酒』の詩情あふれる続編です。

20130918

さよなら僕の夏
著者:レイ・ブラッドベリ/訳:北山克彦
出版社:晶文社

少年の夏の日を描いた傑作のもうひとつの物語が、36年の時を経てよみがえった。

小さな田舎町グリーン・タウンに暮らすダグラス・スポールディング。『たんぽぽのお酒』で12歳だったダグラスは14歳になろうとしている。

物語の始まりは1929年10月。今年もたんぽぽのお酒をいくつも瓶詰めにし、夏の思い出を一壜ごとに閉じ込めたのだろう。楽しかった夏は過ぎ去り、秋の気配がそこかしこに立ち込めるなか、少年と町の老人たちとの物語が始まる……。

あふれる想像力と詩情に満ちたブラッドベリの作品の魅力は、彼の生まれ故郷、アメリカ中西部イリノイ州の田舎町の素晴らしさでもあります。物語の舞台グリーン・タウンは、ブラッドベリが生まれ育った町がモデル。ダグラス少年と作者の少年時代が重なってみえます。

14歳のダグラスの「朝時間」は、秋が戻ってきた10月1日の朝。
少年は夏の別れを敏感に感じとります。

ひんやりとした秋の日におすすめの本です。『たんぽぽのお酒』と合わせてどうぞ。

Love, まっこリ〜ナ

 

この記事を書いた人
Nice to meet you!

朝読書のすすめ『まっこリ~ナのCafe BonBon』

公式ブログ
小説から絵本まで、編集者が選ぶ”朝読書”におすすめの1冊
Written by

まっこリ〜ナ

編集者・ライター

出版社勤務を経てフリーランスに。図鑑や写真集、子どもの本や雑誌などの編集に携わる。本がくれる愛のチカラを糧に生きる日々。いちばん好きな本の主人公は長くつ下のピッピ。
趣味は草花園芸、編み物、ランニング、スポーツ観戦。

連載記事一覧

今日の朝の人気ランキング