今日のカフェボンボンは、アメリカのSF作家レイ・ブラッドベリの『さよなら僕の夏』。
永遠の名作『たんぽぽのお酒』の詩情あふれる続編です。
『さよなら僕の夏』
著者:レイ・ブラッドベリ/訳:北山克彦
出版社:晶文社
少年の夏の日を描いた傑作のもうひとつの物語が、36年の時を経てよみがえった。
小さな田舎町グリーン・タウンに暮らすダグラス・スポールディング。『たんぽぽのお酒』で12歳だったダグラスは14歳になろうとしている。
物語の始まりは1929年10月。今年もたんぽぽのお酒をいくつも瓶詰めにし、夏の思い出を一壜ごとに閉じ込めたのだろう。楽しかった夏は過ぎ去り、秋の気配がそこかしこに立ち込めるなか、少年と町の老人たちとの物語が始まる……。
あふれる想像力と詩情に満ちたブラッドベリの作品の魅力は、彼の生まれ故郷、アメリカ中西部イリノイ州の田舎町の素晴らしさでもあります。物語の舞台グリーン・タウンは、ブラッドベリが生まれ育った町がモデル。ダグラス少年と作者の少年時代が重なってみえます。
14歳のダグラスの「朝時間」は、秋が戻ってきた10月1日の朝。
少年は夏の別れを敏感に感じとります。
ひんやりとした秋の日におすすめの本です。『たんぽぽのお酒』と合わせてどうぞ。
Love, まっこリ〜ナ