今日のカフェボンボンのおすすめは、『たんぽぽのお酒』。
アメリカの偉大なSF作家、レイ・ブラッドベリの不朽の名作です。12歳の少年の夏の日々を描いたファンタジックな物語をどうぞ。
『ベスト版 たんぽぽのお酒』
著者:レイ・ブラッドベリ/訳:北山克彦/絵:荒井良二
出版社:晶文社
1928年の6月。アメリカの小さな町で、ダグラス・スポールディングの夏休みが始まった。
本当に自由で、自分が生きていることを知る朝。まっさらなテニスシューズをはくと、かかとに夏を感じて、魔法みたいに川も木も家も飛び越せるんだ! 少年は丸ごとの夏を思って微笑を浮かべ、町に向かって指を鳴らす。
おじいさんと造るたんぽぽのお酒。収穫した金色の花を絞り、いくつも壜詰めにする。夏の思い出をひと壜ごとに閉じ込めて。
冬が来て、夏の感触を味わいたくなると、パパやおばあちゃんもたんぽぽのお酒の栓を開ける。お酒をひと口飲めば、太陽の光がよみがえってくるから……。
物語の舞台グリーン・タウンは、ブラッドベリの故郷、イリノイ州の田舎町がモデルです。永遠の夏への憧れと少年のイノセンス、友だちとの別れや肉親の死への怖れ。ダグラスはこの小さな町ですべてを経験し成長していくのです。
ダグラスの「朝時間」は、夏の最初の朝。
ノスタルジックで詩的な美しさに満ちたシーンです。本のお供には、男の子たちの大好きなアイスクリームを1パイントにチョコレートをひとすくい。
ぜひこの本を手にとって、夏をつかまえて!
今年の6月に亡くなったレイ・ブラッドベリを偲んで。
Love, まっこリ〜ナ