今日のカフェボンボンは、夜のファンタジー『くじらの歌』。
内気な少年ミハエルと不思議な「夢の力」をもつ祖父との心温まる物語です。
『くじらの歌』
著者:ウーリー・オルレブ/訳:母袋夏生/絵:下田昌克
出版社:岩波書店
ミハエルが9歳のとき、年をとったおじいちゃんのそばで暮らすため、一家はアメリカからイスラエルに移り住みます。言葉は英語からヘブライ語へ、名前もマイケルからミハエルに。ある日を境に言葉も自分の名前も友だちもいっぺんに変わるなんて、どんなに大変なことでしょう。
異文化に暮らし始めたミハエルの楽しみは、エルサレムの旧市街に住むおじいちゃんを訪ねること。珍しい骨董品や家具があふれるお屋敷を探検し、古いレコードプレーヤーで音楽を聴いたり、一緒に家具を修理したり。ときにはふたりで町を散策します。
やがてミハエルが11歳になったとき、おじいちゃんが“くじらの歌”を聞かせてくれて……。
ミハエルの「朝時間」は、おじいちゃんのお屋敷を初めて訪ねた日曜日。
おじいちゃんは、ただミハエルをじっと見つめて、にっこりと微笑みます。
夢にまつわる特別な体験を通して、ミハエルとおじいちゃんは心を通わせ合います。
ペン画の挿し絵は、ストーリーにぴったりの温かい手触り。表紙のくじらは、夜の海にぽっかり浮かんで夢を見ているようです。
国際アンデルセン賞作家のウーリー・オブレブは、ワルシャワ生まれのポーランド人。現在はエルサレムに住んでいるそうです。
今夜もよい夢を。
Love, まっこリ〜ナ