今日のカフェボンボンは、『ろうそくの炎がささやく言葉』。
国内外の著者が、東日本大震災の被災地・東北へ作品を捧げた本。「ろうそくの炎で本を朗読しよう」をテーマに編まれた、詩と短編のアンソロジーです。
『ろうそくの炎がささやく言葉』
編:管啓次郎・野崎歓
出版社:勁草書房
「語るべき言葉を失いつつ、やはり言葉によって、遠くの土地を思っている」「言葉だけでは復興は不可能だとしても、復興は言葉の広がりの中で勢いを得るはず」
このように信じ、願う編者が友人に声をかけ、たくさんの人たちが呼びかけにこたえました。谷川俊太郎、柴田元幸、堀江敏幸、エイミー・ベンダーら31人の書き手が、ろうそくの光の下での朗読をテーマに、思い思いの方法で言葉を捧げます。
作家の古川日出男は、大震災の直後ニューヨークに渡り「9.11」の跡地を訪れた体験をつづります。短編を書きたいと思ったけれど、書くことができなかった。「ただのフィクションは、福島出身のこの僕の体からは、いまは出すことができない」からと。
ろうそくの炎のもとで。心細く小さな声が、誰かへ語りかける言葉に変わる時、声の響きは次第に力強くなり、言葉は思いを伝える力を再び取り戻すかもしれない。
この本の「朝時間」は、谷川俊太郎の詩「ろうそくがともされた」の一節より。
きもちがのびたりちぢんだりする
ろうそくのほのおがちいさくなって
くらやみがだんだんうすれていくと
おはようとのんきにおひさまがやってくる
Love, まっこリ〜ナ
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