今日のカフェボンボンのおすすめメニューは、『シンデレラの罠』。
トリッキーな設定で読者を欺く、フレンチ・ミステリの傑作です。
『シンデレラの罠』
著者:セバスチアン・ジャプリゾ/訳:平岡敦
出版社:東京創元社
火事で大やけどを負い顔に皮膚移植をした私。名前はミ。20歳の娘。
「ねんねですよ、ミイラさん」と言う医者の声。病院のベッドで目覚めた私は記憶喪失に陥っていた。一緒にいた幼なじみのドは焼死。私は大金持ちの伯母さんの遺産相続人だという。自分の名前が記憶にないのはなぜ?本当に私はミなの?それとも……。
「私はその事件の探偵です。そして証人です。また被害者です。さらには犯人です。私は4人全部なのです。私はいったい何者でしょう?」センセーショナルなコピーの通り、読者は「私」に翻弄され、巧妙な罠にからめとられていきます。
輝くように美しいミ(ミシェル)と平凡な娘ド(ドムニカ)。耳慣れない呼び名は、まるで記号のようによそよそしく冷たい。
“彼女”の「朝時間」は、ベッドの上で迎えた9月の朝。
白い部屋、白いベッド、白い閃光、白い包帯。
何もかも白。強烈なイメージのシーンです。
本のお供には、濃厚な赤ワインをどうぞ。
欺かれるのって、本の中では刺激的。フレンチ・ミステリの古典的名作を新訳版でお楽しみください。
Love, まっこリ〜ナ