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フレンチ・ミステリの傑作『シンデレラの罠』

 

今日のカフェボンボンのおすすめメニューは、『シンデレラの罠』
トリッキーな設定で読者を欺く、フレンチ・ミステリの傑作です。

20120830

シンデレラの罠
著者:セバスチアン・ジャプリゾ/訳:平岡敦
出版社:東京創元社

火事で大やけどを負い顔に皮膚移植をした私。名前はミ。20歳の娘。

「ねんねですよ、ミイラさん」と言う医者の声。病院のベッドで目覚めた私は記憶喪失に陥っていた。一緒にいた幼なじみのドは焼死。私は大金持ちの伯母さんの遺産相続人だという。自分の名前が記憶にないのはなぜ?本当に私はミなの?それとも……。

「私はその事件の探偵です。そして証人です。また被害者です。さらには犯人です。私は4人全部なのです。私はいったい何者でしょう?」センセーショナルなコピーの通り、読者は「私」に翻弄され、巧妙な罠にからめとられていきます。

輝くように美しいミ(ミシェル)と平凡な娘ド(ドムニカ)。耳慣れない呼び名は、まるで記号のようによそよそしく冷たい。

“彼女”の「朝時間」は、ベッドの上で迎えた9月の朝。
白い部屋、白いベッド、白い閃光、白い包帯。
何もかも白。強烈なイメージのシーンです。

本のお供には、濃厚な赤ワインをどうぞ。

欺かれるのって、本の中では刺激的。フレンチ・ミステリの古典的名作を新訳版でお楽しみください。

Love, まっこリ〜ナ

 

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小説から絵本まで、編集者が選ぶ”朝読書”におすすめの1冊
Written by

まっこリ〜ナ

編集者・ライター

出版社勤務を経てフリーランスに。図鑑や写真集、子どもの本や雑誌などの編集に携わる。本がくれる愛のチカラを糧に生きる日々。いちばん好きな本の主人公は長くつ下のピッピ。
趣味は草花園芸、編み物、ランニング、スポーツ観戦。

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