日照時間が短く、気温が低い冬は、眠りの質が低下しやすいだけでなく、気持ちが落ち込みやすくなることもあります。厳しい冬で知られている北欧では、冬になるとウツの人が増えるため、“冬季うつ”と呼ばれているほどなのだそう。日本ではそれほど深刻になる必要はありませんが、ぐっすり眠れない、何となく気分が晴れないという方は冬の過ごし方を見直してみましょう。
朝は照明を代用して、しっかり光浴を!
雨が多かった今年の冬。冬はただでさえ1日の日照時間が短いのですが、雨が続いたせいか1ヶ月間の日照時間もかなり短かったようです。つまり、それだけ太陽の光を浴びる機会が少なかったため、太陽の恩恵を受けられなかった可能性があります。
すでにご紹介していますが、朝の強い光は私たちの体に備わっている体内時計を刺激し、生体リズムを1日24時間に調整してくれる役割を持っています。体内時計は機械時計のように正確ではないため、毎朝定時に起きて太陽の光を浴びることを合図として調整され、さまざまな内分泌や体の機能が活動モードへと移行します。そのひとつであるメラトン(眠りを安定させるホルモン)は、光を通して朝を実感すると分泌が止まり、目覚めを促します。
また、暗い環境になって夜を感じると分泌が始まり、眠りを安定させる働きがあるのです。朝は明るく、夜は暗くという生活を送ることは、こういったホルモンの働きにも作用し、生体リズムを整え、スッキリした目覚めとぐっすり快眠をもたらしてくれるのです。
でも日の出時間が遅い冬は、朝起きてもまだ外が暗かったり、さらに天気が悪いと、太陽の恩恵を受けることができません。そんな時は、強めの照明を太陽の代わりにしてみましょう。シーリングライトはもちろん、ベッドサイドの強いスポットライトも利用して、しっかりと目覚めるまで、部屋を明るくしましょう。目覚める30分くらい前から光を感じ始めると、自然に目覚めやすいといわれているので、スポットライトのコンセントにタイマー(セットした時間に電源が入るもの)をセットし、起床時刻の30分前に光が灯るようにしてみるのもよいかもしれません。
午後も太陽の光を浴びましょう
日照時間が短い冬は、あっという間に夜がやってきます。仕事が終わる午後5~6時にはすっかり夜になっているので、できれば昼食時にも一度、外に出て太陽の光を浴びるようにしましょう。
また、眠りの質を高めるためには、適度な運動を心がけましょう。冬はどうしても運動不足になりがちですが、夕方の運動は体温を上げて眠りの質をアップする秘訣です。光浴と適度な運動を心がけることで、浅くなりやすい冬の眠りを良くすることができます。特に冷え性の人、平熱が低い人は、眠りにくくなる傾向があるので光浴で体内時計を整えながら、運動で体温を上げる努力をしてみてください。