暑苦しい夏の夜は、なかなか寝付けないもの。そのうえ夏は陽が昇る時間が早いため、早朝に目が覚めやすく、気づかないうちに睡眠が不足しがちです。ぐっすり眠るためには寝室を涼しくすることが欠かせませんが、節電が求められている今年は、エアコンに頼ってばかりはいられません。ちょっと工夫をして、気持ちいい夜を迎えましょう!

 

寝室は東向きまたは北向きにする!

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夏の快眠には、寝室温度26~28度、湿度50~60%に保つことが最適だといわれていますが、ただエアコンで冷やすだけでは電気代がかかってしまいます。

節電するにはまず、寝室に熱をこもらせないことが大切です!そのためには寝室の位置にも注意。西陽は熱がこもる一番の原因になるので、寝室が西向きという方は、夏の間だけは東や北に寝室を移すことをオススメします。どうしても移せないという方は、寝室に陽が入り込まないように遮光カーテンやすだれ、緑のカーテンなどで防ぎましょう。

西陽と並んで暑いのが南の太陽ですが、その影響を受けやすいのは最上階の部屋。涼しさをつくるためには、屋上緑化をしたり、2階建ての家なら、夏の間だけ1階に眠るようにするとよいでしょう。

また、ベランダが寝室に接しているなら打ち水をしましょう。床面だけでなく、壁まで打ち水をすると2~3度は涼しくなるといわれています。

 

扇風機を併用して気流をつくる!

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最近の住宅は密閉性が高いため、気をつけていても熱がこもりやすいもの。節電しながら快適温度湿度に調整するためには、換気と通気がポイントになります。
まず、帰宅したらすぐ窓と対角線上にあるドアなどを空け、部屋にこもった熱を逃がします。効率よく熱を逃がすためには扇風機を開けた窓に向けてスイングさせ、キッチンの換気扇もオン。寝室のエアコンを26~27度の強に設定し、風をスイングさせます。寝室のクローゼットや押し入れなども開け、部屋全体の熱をしっかり逃がすのがポイントです。

室温が26~28度くらいになったら窓を閉め、ドアも閉めます。扇風機をエアコンの対角線上の低い位置に置き、壁にあててスイングさせます。エアコンはスイングさせたまま自動モード(おやすみモード)に。下にたまる冷気を扇風機で散らし、風の流れをつくることでエアコンの使い過ぎや冷やし過ぎを防ぐことができます。

エアコンを切った場合、室温が28度を超えるようなら、睡眠中もエアコンを。節電は必要ですが、夜は電気使用量が少なくなるので、エアコンを使ってもあまり問題はありません。
むしろ、無理にエアコンを使わない生活をしていると熱中症を起こす危険があるので要注意。どうしても一晩中使うことに抵抗がある方は、タイマーを使いましょう。ポイントは2~3時間にセットすること。というのも、1時間程度では深い眠りに入る前に切れてしまい、目覚めやすくなってしまうからです。

もちろん、田舎に住んでいる方や、窓が開けられて風が通る環境にある方は、エアコンを使わず扇風機だけでも涼しく眠ることが可能です。温度湿度計を用意し、温度湿度を確認しながら適切にエアコンを使いましょう。

扇風機でもエアコンでも体に直に風をあててしまうと必要以上に体温が奪われ、不調の原因になることがあるので気をつけてくださいね。ほのかに風が動くのを感じる程度に風の向きを調整することが大切です。また、睡眠中は汗をかくので就寝前、起床後は水分を摂るようにしましょう。

 

体から熱を逃がす!

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涼しく眠るのに忘れてならないのが、体自体を眠りやすい状態にすること。汗をかきやすい人は気化熱で効率よく体を冷やすことができますが、汗をかきにくい人は熱がこもった状態になり、深部体温がうまく下がらず、寝つきが悪くなってしまうことがあります。

そんな時に効果的なのがお風呂。入浴直後は暑さを感じますが、不思議なことに入浴後はそれほど部屋を冷やさなくても涼しく感じ、熱が効率よく発散されるため、しばらくするとストンと深部体温が下がります。それにより眠りやすくなるのです。ただし、お風呂の温度は40度以下に。熱いお風呂は体温が下がるまでに時間がかかるだけでなく、交感神経を刺激して目が覚めてしまうことがあるので気をつけましょう。ぬるま湯にゆっくり入るのが基本ですが、疲れがひどい時は長風呂は避けること。入浴前の水分補給も忘れずに!

以下のように寝具にも工夫を!
・パジャマは襟ぐりが大きく開いた半袖(ノースリーブでもOK)、半ズボンにしましょう。
・背中、首、頭に熱がこもりやすいので、枕は通気性の良い素材に替えましょう。
・リネン類も麻や綿、最新のポリエステル素材(速乾性、通気性があるもの)などに替えましょう。
・寝具を夏用にしても暑い場合は、冷感マットなどを利用してみましょう。ただし、保冷剤などを直接当てて使うのは避けて(熱中症の場合はわきの下などに保冷剤を当てるのがよいといわれていますが、正常な場合は避けて)ください。そのまま眠ってしまうと冷えすぎて筋を痛めたり、ほてりの原因になることもあります。

 

 

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ぐっすり睡眠&スッキリお目覚めのツボ[連載終了・全70回]

睡眠改善インストラクターによる快眠&めざめのヒント[連載終了・全70回]
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睡眠改善シニアインストラクター 竹内由美

日本睡眠改善協議会認定・睡眠改善シニアインストラクター。日本産業カウンセラー協会認定・産業カウンセラー。
米国Mary Baldwin College心理学科卒業。フリーの編集ライターとして美容や健康などに関する記事に携わり、その経験から睡眠やメンタルヘルスの重要性に気付き、上記の資格を取得。忙しい現代人にこそ良質な睡眠が大切だと、雑誌や講演活動などを通して睡眠について伝えている。
著書には「眠りダイエット」(文芸社)がある。

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