睡眠に関する悩みの中でも、冬になると増えるのが、朝なかなか起きられないという悩み。夏に比べて目覚めが悪く、寒いために布団からなかなか出られないという人が少なくないようですね。そこで今回は、朝起きられない理由とその対策についてご紹介します!

 

冬になると起きるのがつらくなるのは、日照時間と気温にあり

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すでに何度もお話しているように、朝の光は体内時計を整え、目覚めを促すのに不可欠です。でも、冬は日の出時間が遅く日照時間も短いため、その恩恵を受けにくくなります。さらに、気温も低いため、朝になっても体温がうまく上がらず、起きづらくなってしまうのです。

実は、こういった現象は他の国でも見られ、日照時間が短く寒さの厳しい北欧では「冬季うつ」といって、冬になると気分が落ち込む人が増えると言われています。冬の気候でそんな変化が?と思われるかもしれませんが、冬になると眠りの質が低下するのは、冬眠体質の名残と考えられていて、誰でも起こりうる現象なのです。

ちなみに、冬に限らずいつも朝起きられないという人は、1.睡眠が不足している、2.体内時計がズレている、3.生活が不規則、4.精神的なストレスがあるといったことが考えられるので、生活の見直しを。こういった状態の人は、朝になって眠りが深くなったり、体温が上がらないといった状態になり、起きにくくなります。

 

規則正しい生活を基本に、体温を上げる工夫を!


朝起きるのに目覚まし時計を利用している人は多いと思いますが、なかなか起きられない人は、目覚まし時計だけでなく次のような方法も一緒に実践してみてください。

1.週末も規則正しい生活を
夜更かしをしたり、不規則な生活をしていると、眠りの質が低下したり、体内時計が乱れ、朝起きにくくなります。睡眠不足にならないように気をつけながら、平日も週末もなるべく起床時刻を一定にしましょう。夜型生活をしていると体内時計が後ろへズレ、ますます朝、起きにくくなってしまいます。

また、週末に不規則な生活をしていると、冬季うつならぬ、月曜うつ(ブルーマンデー)になりやすいので気をつけましょう。

2.起床時刻の15分くらい前から人工の強い光をつける
目覚めを促すには、朝に太陽の光を浴びることが大切ですが、寝室に太陽光が入らない方や、日の出時間より前に起きる方などは、強い照明を代用してみましょう。

市販のタイマーコンセントを利用し、起床時刻の15分くらい前にスポットライト的な強い光が顔に当たるようにセットします(強い光は眠りの妨げになるので夜は使わないこと)。

3.起床時刻の30分くらい前から部屋を暖める
布団からなかなか出られないことを防ぐため、起床時刻の30分くらい前にエアコンのスイッチが入るようにセットしましょう。

4.朝食を食べる
体温を上げるには、朝食を摂ることが欠かせません。なるべく温かいスープや飲み物などを用意し、熱産生を促すといわれるタンパク質や脳の栄養となるブドウ糖を含んだ食材をしっかり摂るようにしましょう。

こうした生活を続けていると体内時計が整い、眠りの質も良くなるため、自己覚醒といって、目覚まし時計なしに自然に起きられるようになる確率が高まります。
 

 

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ぐっすり睡眠&スッキリお目覚めのツボ[連載終了・全70回]

睡眠改善インストラクターによる快眠&めざめのヒント[連載終了・全70回]
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睡眠改善シニアインストラクター 竹内由美

日本睡眠改善協議会認定・睡眠改善シニアインストラクター。日本産業カウンセラー協会認定・産業カウンセラー。
米国Mary Baldwin College心理学科卒業。フリーの編集ライターとして美容や健康などに関する記事に携わり、その経験から睡眠やメンタルヘルスの重要性に気付き、上記の資格を取得。忙しい現代人にこそ良質な睡眠が大切だと、雑誌や講演活動などを通して睡眠について伝えている。
著書には「眠りダイエット」(文芸社)がある。

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