2008年がスタートしましたが、去年はどんな1年でしたか? 仕事ばかりの1年だった。睡眠時間が短くなってしまったという方、眠りを見直すと同時に、生活の質を見直してみませんか?
体内時計には1年を刻むリズムもある |
ここ数日、冬らしい寒さが続いていますが、朝起きるのがつらいという人が多いはず。でも、それはごくあたり前の現象です。
この1年をちょっと振り返ってみてください。春は眠たく、夏は眠りにくく、冬は起きにくくなかったでしょうか?
こうした変化は、体が環境の変化に反応した結果だといえます。私たち人の体に時計のような機構が備わっていることはすでにご紹介していますが、体内時計が刻む生体リズムには、1日のリズムだけでなく、90分、半日、1週間、1ヵ月、1年と、いろいろなリズムがあります。
そして、日照時間や気温の変化を敏感に察知し、それに適応するように睡眠や活動・代謝機能などを微妙に変化させています。クマやキツネといった動物は、気温が低くなり、エサが減る冬を乗り切るため、冬眠してエネルギー消費を減らします(日照時間が短くなると冬仕度を始めます)。
人は動物のように冬眠はしませんが、冬の朝起きづらいのはこうしたなごりで、冬に備える体質になっているためだと考えられます。
体内時計に合わせた生活はエコにもつながる!? |
でも、今の社会では季節による体の変化は無視され、夏でも冬でも同じ生活が求められています。
確かに、自然の中での生活とは違い、室温は暖かく調節され、冬でも食料は十分にあります。日照時間も照明が代用してくれるので、冬生活は必要なくなっているかもしれません。実際、動物園で飼われているクマは冬眠しないようですが、季節の変化を無視した生活を送っていいのか、考えさせられるところです。
夏は、朝早く起きて涼しいうちに働き、暑い午後は風通しのいい日陰で昼寝をする。そして、午後は日が沈むまでしっかり働く。秋は食欲を高めてエネルギーを蓄積し、冬に備える。
そして、冬は日照時間に合わせて遅く起き、日が沈むまで仮眠せずに働く。その代わり、夜は早めに床に就き、眠りを長くしてエネルギー代謝を抑える。そうした生活のほうが自然で、体にも無理がないように思いますし、照明や空調のエネルギーも減らせて温暖化防止にも役立つように思うのですが…。
日照時間の短さや気温の低下による生体リズムの変化は、眠りや代謝機能だけでなく、気分にも影響を与え、秋冬はうつ状態になりやすいことが知られています。 |
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