新年度がスタートして早1カ月。そろそろ疲れがたまってくる頃。今日こそは早く眠って疲れをとろう。そう思ってベッドに入ったのに、なかなか眠れない。そんな時、あなたはどうしていますか?
寝つけない理由はさまざま
私たちの体には体内時計があり、それが眠りのリズムのベースになっていますが、起きている時間が長くなるほど眠りたいという睡眠欲求は高まります。そのため、起きる時間が遅ければ当然、早く眠ろうと思っても眠れませんし、昼寝を長くしてしまった場合も寝つけなくなります。
起きてから14~16時間くらいで眠るタイミングが訪れますが、その前には睡眠禁時帯といって眠りにくい時間があるので、いきなり早く眠ろうとしても眠れないことがあります。
また睡眠覚醒リズムは、下記のような環境にも影響を受けやすく、自分の意思やストレスなどによっても眠れなくなることがあります。女性の場合は、生理の前、妊娠期、出産前後、更年期にもホルモンの影響で寝付きが悪くなることがあり、冷え症の人も眠りにくくなることがあります。
◆睡眠に影響を及ぼす主な環境要因
・光(夜の強い光)
・音(単調で優しい音楽はリラックスに役立ちますが、うるさい音、冷蔵庫などのノイズは眠りを妨げることがある)
・温度・湿度(寒い、暑い、蒸し暑い)
・気圧
・空気(ホコリ、ダニ、カビ)
・ニオイ(心地良い香りはリラックスに役立ちますが、悪臭や強いニオイは眠りにくくなる)
・食事(不規則な食事・寝る直前の食事)
・運動不足・運動しすぎ
・入浴(ぬるめのお風呂につかるのはリラックスできるが、寝る直前の熱いお風呂は目が覚めてしまう)
・寝具(不潔、重い、寝返りがしにくいなど)
・ベッドパートナー(夫、子ども、ペットなど)
・嗜好品(お酒、タバコ、カフェイン)
とくに今の時季は、新しい生活が始まったばかりで緊張している人が多いはず。慣れない生活でストレスもたまりがちになり、それが寝付けない原因になることがあります。
ストレスに対抗するホルモン、コルチゾールは、夜中にもっとも分泌が少なくなり、朝になると分泌が増えます。そして、ストレスに対抗できるように緊張を高め、血圧や体温を上げ、体を活動モードにします。
そのため、目覚めのホルモンと言われることもありますが、生活が忙しかったり、ストレスが多いと、夕方以降もコルチゾールの分泌量が減らず、脳の興奮が収まらなくなり、交感神経も緊張したままとなり、なかなか休息モードにならないことがあります。そんな状態では眠ろうと思ってもなかなか眠れません。
眠りやすくするには、まず夜になったら心を切り替え、リラックスすることが必要です。手っ取り早いのは運動。好きな運動で汗をかくことで気分転換でき、眠りやすくなります。疲れて運動する気が起こらないと言う人はウォーキングでいいので、大股&早歩きで歩いてみましょう。
緊張がとれない人は、まず全身に力を入れて少しキープ。そしてフッと力を抜くような動作をして、ゆっくりと深呼吸をしましょう。夜はぬるめのお風呂にゆっくり入りリラックスを。アロマの香りを活用してストレッチやマッサージを行うのも良いでしょう。
寝よう寝ようと焦るのは逆効果
眠れないのには性格も関係していて、まじめで責任感が強く、心配性、いつも時間に追われて何でも完璧にやろうとする、いわゆる「タイプA」の人は眠りにくくなることが多いと言われています。
そんな方は、ベッドに入ってもあれこれ考えてしまうことが多いので、十分に眠くなってからベッドに入ること。眠らなくちゃと焦ってしまうと、一層眠れなくなってしまうので、眠れない日は、「体がまだ活動モードなんだな」と言い聞かせて、無理に寝ようとしないこと。眠くなるまでリビングなどで過ごし、「眠れない日もある」というくらい気軽な気持ちで過ごしましょう。
たとえその夜、ぐっすり眠れなくても、次の日には睡眠欲求が高まって眠れるはず。ただ、次の日は眠くてもなるべく活動的に過ごすのがぐっすり眠る秘訣です。
もし、睡眠が不足した状態がずっと続いているのに、眠れないという人は、体の恒常性やリズムが崩れていることもあるので、2週間眠れないような状態が続いたら、専門医に相談した方が良いでしょう。
今の時季についやってしまうのが、週末や長期の休みにダラダラと朝寝坊して過ごしてしまうこと。それは体内時計のリズムを乱し、さらなる不調を招いてしまう原因になります。休みだからとお昼すぎまで眠ってしまったり、夜中の2時3時まで起きているというような生活は避けましょう!