■ 合わない枕は安眠の敵!

GK041_72A

朝起きたとき、肩がこっている、寝違えることが多い。枕からいつも頭が落ちている。そんな方は、枕が身体に合っていない可能性があるので、一度見直してみてください。

枕というと、頭をのせるものと思いがちですが、
正確には、敷布団と頸部のくぼみ(首のカーブ)にできるすき間を埋め、頭部を支えるのが枕の大きな役割です。

合わない枕を使っていたり、頭だけをのせて首が浮いた状態で寝てしまうと、首の筋肉が睡眠中ずっと緊張して、疲れがとれないばかりか、肩こりなどの原因になってしまいます。

睡眠中は筋肉が弛緩する(自分ではコントロールできなくなる)ため、合わない枕を使っていると、知らず知らずのうちに不自然な姿勢となり、骨や筋肉に負担がかかり、肩こりだけでなく、呼吸がしずらくなる(気道が狭くなる)、首にシワができる、血流が悪くなってむくみやすくなる、いびきが増えるといったことも起きやすくなってしまうので気をつけて

 

 ■ 自分に合う枕を見つけましょう!

自分に合う枕とは、首のカーブを自然に埋めて、頭と頚部を安定して支えてくれるもので、力を抜いてまっすぐ立ったときと同じ姿勢(ラクな姿勢)が、布団に横になった状態で維持できるもの。

横向きでないと眠れないという人も、実は枕が合っていないことが原因で、枕を変えたらあお向けで寝られるようになったというケースもあるので、まずは今使っている枕が自分に合っているか確認してみてください。

 

onepoint_back22.jpg

高さ

頭をのせたとき、横から見てあごが上がってしまう枕や、逆にあごが下がりすぎて首にシワができるような枕は低すぎまたは高すぎるのでNGです。また、頭の下に無意識に手を添えてしまう、朝起きるといつも枕が頭から外れているといった枕も合っていないことが考えられるので見直しを。わずか1センチ高さが変わるだけで寝心地は大きく変わるといわれるので、要チェックです!

大きさ

睡眠中は平均して20回程度の寝返りをするといわれています。そのため、ある程度大きさがないと頭が枕から落ちてしまうので、左右に寝返りをうっても頭が落ちない大きさのものを選びましょう。

構造

枕の構造は最近、大きく変わりつつあります。ただの袋に同一の素材を詰めた、いわゆる1袋状枕がかつては主流でしたが、それでは寝返りのたびに枕の形が変形して偏ってしまい、安定しないことが。そのため、最近では頚部、頭部、両サイドと、それぞれの部位ごとに構造が分かれ、高さも素材も異なるもので形成されているものも。そういった点にも注意して選んでみるとよいでしょう。
頚椎のカーブも頭の形もひとそれぞれなので、後頭部の丸みが強い人は枕中央が少し低くなっているようなものがおすすめ。横向きで寝ることが多いという人は、横を向くと、肩幅分だけ敷き布団から高くなるため、頭が下がって首が曲がってしまったり、肩が痛くなってしまうことがあるので、両サイドが少し高くなっている構造の枕を選ぶとよいでしょう。

素材(硬さ、感触)

枕に使われる素材は、そば殻や羽根、綿のような天然素材から、ポリエチレン製のマルコビーンズやパイプ、低反発までさまざま。素材選びに関しては自分の好きな感触を選ぶことが基本になりますが、頭が沈みすぎて寝返りがうちにくくないか、長時間頭をのせていても痛くならないか、動いても音が気にならないかなどをチェックしてみて。また、夏になると蒸れてしまう素材もあるので、季節によって使い分けることも必要ですし、素材によって寿命が異なる上、洗えるもの洗えないものとがあるので、その点も確認すること。

*—————————————————————————————————–*

自分ではよくわからないという人は、頚部の形を測定してくれたり、素材の特徴について説明してくれるお店もあるので、一度利用してみるといいかも。
また、安眠のためには枕だけでなく、敷き布団も身体に合うものを選ぶことが大切。腰の部分が不自然に浮いてしまったり、お尻が痛くなったり、極端に沈んでしまうような敷き布団はNGです。せっかく合う枕を選んでも敷き布団と相性が悪いと、寝心地が悪くなってしまうこともあるので、できれば寝具は実際に試して選ぶようにしましょう!

 

この記事を書いた人
Nice to meet you!

ぐっすり睡眠&スッキリお目覚めのツボ[連載終了・全70回]

睡眠改善インストラクターによる快眠&めざめのヒント[連載終了・全70回]
Written by

睡眠改善シニアインストラクター 竹内由美

日本睡眠改善協議会認定・睡眠改善シニアインストラクター。日本産業カウンセラー協会認定・産業カウンセラー。
米国Mary Baldwin College心理学科卒業。フリーの編集ライターとして美容や健康などに関する記事に携わり、その経験から睡眠やメンタルヘルスの重要性に気付き、上記の資格を取得。忙しい現代人にこそ良質な睡眠が大切だと、雑誌や講演活動などを通して睡眠について伝えている。
著書には「眠りダイエット」(文芸社)がある。

連載記事一覧

今日の朝の人気ランキング