夏休みをとって海外へ出かける人も多いと思いますが、気をつけたいのが時差ボケです。「海外に行くといつも調子が悪くなる」「目覚めが悪い…」という人は、時差ボケ対策を覚えておきましょう! |
■ 時差ボケは生体リズムと生活時間のズレが原因 | ||||||
通常は、私たちに備わっている体内時計のリズムと生活時間はぴったりと一致していますが、時差のあるところへ短時間で移動すると、生体リズム(私たち人に備わっている体内時計のリズム)と現地での生活時間がズレてしまいます。
それにより心身の機能が一時的に不調和状態になり、夜中に目が覚めて眠れない。観光中も頭がボーっとする。気分が悪く、食欲もないといった不調が起こることがありますが、それがいわゆる時差ボケです。
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その程度には個人差があるものの、海外旅行をする人8割以上の人が何らかの症状を感じているといわれ、一般に、自律神経系の不調や睡眠障害が解消されるまでには若い人で約1週間かかるといわれています。高齢者では自律神経系は1週間ですが、睡眠に関しては10日もかかるといわれています。
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1.旅行前はしっかり寝ておく 睡眠が不足していると、睡眠障害がでやすいといわれているので、旅行前には十分な睡眠をとっておきましょう。
2.現地の生活時間に合わせる 時差ボケを早く解消するには、1日目の過ごし方がとても重要で、飛行機の到着時刻によっても大きく左右されます。飛行機の中では眠れないという人は、できれば現地に夕方到着する飛行機を選ぶことがオススメ。飛行機の中では眠らず、到着したら早めに夕食をすませ(消化のいいものを選び食べ過ぎない)、早めに眠りましょう。到着してもなかなか眠れないときは軽い運動または入浴をして体を温め、気分をリラックスさせると眠りやすくなります。
朝到着の便になってしまった人は、飛行機の中ではなるべく眠っておきましょう。眠れなかった場合でも、現地についたら眠らずに、日中はなるべく明るい場所で過ごすこと。どうしても眠たい場合は、現地時間の午後2時前後に30分程度の軽い仮眠をとりましょう。寝すぎたり、夕方遅くに寝てしまうと夜になっても眠れなくなり、一層時差ボケがひどくなってしまうので注意して。
3.東への旅行は1日のリズムを前進させる 東へ旅行する際には、1日のリズムを前進させる必要があります。そのためには、現地で朝を迎えたら、つらくてもきちんと起きて、30分程度しっかりと太陽の光を浴びましょう。1日のリズムが1~2時間前進するのに効果があります。また、昼食・夕食の時刻も少し早めると、代謝のリズムを前進させるのに有効です(内臓にも体内時計があり、それも生体リズムや睡眠に影響します)。つらいからとお昼すぎまで寝るようなことはしないこと。どうしても眠気が強い場合は午後2時前後に30分程度の仮眠をとるようにしましょう。
4.西への旅行はサーカディアンリズムを後退させる 西への旅行は、就寝時刻と起床時刻を遅くして、1日のリズムを後退させましょう。そのためには夜になってからも2,500ルクス以上の明るい光を浴びることが有効です。ただ、入眠を妨げてしまうことがあるので、就寝直前は避け、夕食後などに光を浴びるようにしてみましょう。
*—————————————————————————————————–* 時差ボケは、帰国後も起こります。日本に帰ったときも上記の方法を参考に、1日のリズムを再同調させましょう。1~2時間リズムを調整するだけでも、実は数日は必要だといわれているので、数日間は意識して規則正しい生活を送るようにしましょう。
*国立精神神経センター・白川修一郎先生発表の資料を参考に執筆。 |