朝読書におすすめの本をご紹介する『まっこリ~ナのCafe BonBon』。小説やエッセイ、暮らしや料理の本など心に効く本をセレクトしています。
今日の「まっこリ~ナのカフェボンボン」の本棚は、『あなたならどうする』。
「時の過ぎゆくままに」「ジョニィへの伝言」「小指の思い出」など、昭和の歌謡曲をモチーフにした井上荒野の短編集。濃厚な愛の世界に浸ってください。
『あなたならどうする』
著者:井上荒野
出版社:文藝春秋
恋愛小説の名手が昭和歌謡の大ヒット曲に触発され、スキャンダラスな欲望と愛の物語を紡ぐ。
「時の過ぎゆくままに」では、病院で出会った男女のやるせない愛が描かれる。初めて名前を名乗りあったその日からふたりはラブホテルへ、のっぴきならない不倫関係へとのめりこんでいく。病気の配偶者をあざむき続ける彼らはどこか投げやりで、ふたりに後ろめたさは感じられない。「あなた、虫を払うような顔で私を見るのね」男の妻が不意打ちのように発した一言が衝撃的です。
不幸になるとわかっていても、愛するのをやめられない女もいる。冷たい嘘を重ね、裏切り続ける男もいる。さまざまな愛のかたちが描かれるなかで、女が男にあるいは男が女に、強烈な言葉を投げかけるシーンがとくに印象に残ります。毒のあるひと言が行き場のない愛に終止符を打つのか、それともますます相手の情念を募らせてしまうのか。
愛の本質を鮮やかに描いた一冊をぜひどうぞ。
井上荒野さんの小説、以前ご紹介したこちらもどうぞ。
*『ママがやった』
*『綴られる愛人』
ラブ&ピースな一日を。
Love, まっこリ〜ナ
「まっこリ~ナのカフェボンボン」を読んでくださってありがとうございます。「カフェボンボン」が心ときめく本との出会いの場となりますように。今年もどうぞよろしくお願いいたします。
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