肩こりや腰痛を防いでくれる!?「寝返り」の役割とは

 

連載「教えてユミ先生!睡眠のお悩み解決室」では、気持ちのいい朝に欠かせない「睡眠の悩み」を解決するヒントを、日本睡眠改善協議会認定・睡眠改善シニアインストラクターの竹内由美さん(ユミ先生)に教えていただきます

今回のお悩みテーマは…正しい「寝姿勢」〜前編〜

(お悩み)「体の左側を下に寝たら痩せる」「上向きのほうがよく眠れる」などと聞いたことがありますが…ホントでしょうか?自分に合う寝姿勢が知りたいです。

眠る女性

仰向け、うつ伏せ、横向きなど、寝姿勢はまさに十人十色。左側を下に寝たら痩せる?そんな噂があるんでしょうか(笑)

残念ながら、そのような臨床結果は目にしたことがありません。ただ、心臓は体の少し左側にあるので、左を下に眠ると心臓が圧迫される可能性があると言われることはあります。

また、寝姿勢によって首や腰のコリ、首のシワ、むくみなどがひどくなったり、逆にいびきを軽減できる寝姿勢もあるなどと言われていますよ。

体の歪みを整える「寝返り」

首を抑える女性

寝姿勢の前に、寝ている間の「寝返り」についてお話しておきましょう。というのも、私たちは一晩の睡眠中に20~30回も寝返りをうつと言われていて、ずっと同じ寝姿勢で寝ているわけではないからです。

「私は寝相がいいから寝返りはしない」と言う方がいるかもしれませんが、もし一晩中動かなかったら、体圧がかかる腰などの血流が悪くなってしまう可能性があります。

寝たきりの方が床ずれを起こしてしまうのはこのため。寝返りには次のような役割があるんですよ。

1) 血流循環の滞りを防ぐ

2) 睡眠段階を移行させる(レム睡眠からノンレム睡眠など)スイッチ的な役割を果たす

3) 体温や布団の中の気温を調節する

眠る子供

肩こりや腰痛などに悩む子供はあまりいませんよね。子どもは深く眠る分、寝返りが激しく、お布団の中で大きく動きながら寝ます。その寝返りがストレッチ的な役割を担って体の歪みを整えるので、肩こりや腰痛になりにくいと言われています。

しかし年齢と共に深い眠りの割合は減少し、寝返りの際の動きも小さくなり、寝相がよくなります。

寝相がいいことは良いことと思いがちですが、睡眠中のストレッチがなくなるので、血流が悪くなったり体がコリやすくなると言えます。

こんな人は要注意!「レム睡眠時行動障害」とは?

肩を抑える女性

ただし、大人になってもベッドからよく落ちたり、壁を叩くようなことがあったり、目が覚めたらベッドや布団からかなり離れたところに寝ていたりといったことが頻繁に起こる方は、注意が必要。

単によく寝返りをうつ(寝相が悪い)ということではなく、「レム睡眠時行動障害」という病気にかかっている可能性もあります。気になる方は早めに専門医に相談するようにしましょう。

スッキリとした朝を迎えるために

目覚めが良い女性

寝返りは本来、無意識のうちに動くのが良いもの。寝返るのたびに目が覚めてしまう、という方は

  • 眠りが浅い
  • 寝返りがしにくい寝具を使っている
  • 体に負担のかかる寝姿勢になっている
  • 寝室の気温や湿度が高すぎる

などが原因と考えられます。また、朝起きた時に、首や腰が痛い、息が苦しいと感じる方や、「最近首のシワが増えた気がする」という方は、枕や布団などの寝具が合っていない可能性があります。

自然に寝返りがしやすい寝具を使うべく、見直してみてくださいね。

明日公開予定の後編の記事では、理想的な寝姿勢についてご紹介します。

☆後編は、2月27日(土)朝4時に公開予定です。

 

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Written by

睡眠改善シニアインストラクター 竹内由美

日本睡眠改善協議会認定・睡眠改善シニアインストラクター。日本産業カウンセラー協会認定・産業カウンセラー。
米国Mary Baldwin College心理学科卒業。フリーの編集ライターとして美容や健康などに関する記事に携わり、その経験から睡眠やメンタルヘルスの重要性に気付き、上記の資格を取得。忙しい現代人にこそ良質な睡眠が大切だと、雑誌や講演活動などを通して睡眠について伝えている。
著書には「眠りダイエット」(文芸社)がある。

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