夏に知ってて損なし!デオドラント用品の賢い選び方・使い方

 

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プレゼンター/上田由紀子(ニュー上田クリニック 院長) 、取材/大庭典子(ライター)

クリーム、ロールオン、スプレータイプ…etc.ライフスタイルで使いわけて

朝、家を出る前に、お昼の休憩で、友達や恋人との待ち合わせ前に、と制汗剤を使用する回数も増え、汗のニオイ対策も念入りになる夏。今回は汗にまつわる悩みの圧倒的ナンバーワンである”ニオイ”について、ニュー上田クリニックの院長、上田由紀子先生に教えていただきます。

「皮膚の常在菌がある場所に汗がたまると、化学反応が起こり、そこにニオイが発生するので、汗の分泌を抑えれば、ある程度ニオイを防ぐことは可能です。制汗剤には、塩化アルミニウムという成分が入ったものが多く使用されています。塩化アルミニウムは、汗の水以外の主成分である塩分に対して優勢に働き、汗の出口をふさぎ、分泌を減らす効果があるのです。塩化アルミニウムの入った液体は病院でも処方し、毎朝つけることである程度の効果は期待できます。

制汗剤には汗を止めるための作用のほかに抗菌や殺菌作用がある成分が含まれたもの、消臭効果のある緑茶エキスなどが含まれたものなど種類も豊富。日々、制汗や消臭法の研究も進み、化粧品メーカーなどからさまざまな商品が発売されています。制汗し、さらにはそこにいい香りをプラスするというデオドラント用品も女性には人気ですね。

Deodorant

ロールオンやクリーム、スプレーなどタイプもいろいろありますので、それぞれ自分のライフスタイルや好みに合った商品を選ぶとよいでしょう。CAさんなど会社の制服があったり、一度塗るとなかなか塗り直しができない環境で働いている方など、持続効果に重点を置くなら、クリームタイプをおすすめします。

私が過去にさまざまなタイプのデオドラント商品の情報を集めたところ、クリームタイプはスプレーやロールオンタイプよりも量がたっぷりとつけられること、毛穴をふさぐ効果も高いことから持続効果に定評がありました。自由なファッションで仕事ができる方には、ノースリーブでも制汗剤の使用跡がわかりづらいスプレータイプを重宝している方が多いようです。

スポーツ時のアクセサリーが皮膚トラブルに?!

気になるニオイに消臭効果を発揮してくれるデオドラント用品ですが、残念ながら、肌に合わず皮膚にトラブルを起こし皮膚科にやってくる人もなかにはいます。たとえば、金属アレルギーをおもちで銀に対してアレルギー反応を示す方。銀=Agは、抗菌作用や消臭作用があり、制汗剤として広く普及していますが、銀のアレルギーをもっている方は、肌に合いません。

ほかにもアルミニウムにアレルギーがある人や香料に反応する人など、制汗剤が合わないという人は意外に多くいらっしゃいます。また、汗は金属を溶かしてイオン化する性質があるので、汗をかいたときに金属のものを身につけていると、そこからアレルギーを引き起こしてしまうこともあります。

Running shoes - closeup of woman tying shoe laces. Female sport fitness runner getting ready for jogging outdoors on forest path in summer season.

運動時にもおしゃれ心を忘れず(笑)、ネックレスやブレスレットなど金属類のアクセサリーを身につけて活動する方もいますが、肌が乾燥しているときに身に着けていて問題なくても、汗をびっしょりかいたときには金属によっては溶かし出されてしまいますのでご注意を。運動後、アクセサリーをつけていた場所にかゆみを感じて大騒ぎ、となる前に、スポーツ時は身につけないのが安全でしょう。

衣類に抗菌剤が織り込まれている場合なども、加工の際に使用される成分に対して、アレルギー反応が起きてしまうことなどもありますので、アレルギーをおもちの方は、成分をきちんと確認してください。金属と同じで、肌が乾燥しているときには大丈夫でも、汗をかいたときに衣類の部分だけ赤く反応してしまった、という報告はこれまでにあります。ご自身の肌の性質に合った商品を選んでください」

制汗剤の成分や持続性、注意すべきことなど、これからの季節を快適に過ごすためにも覚えておきたいトピックスが満載でした。皮膚トラブルを避けるためにも、自分の肌の状態を把握し、適切なデオドラント用品を選びたいですね。

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上田由紀子 (ニュー上田クリニック院長 医学博士 日本皮膚科学会認定皮膚科専門医 日本体育協会公認スポーツドクター)

上田由紀子

ニュー上田クリニック院長、医学博士。日本皮膚科学会認定皮膚科専門医。日本体育協会公認スポーツドクター。
東京大学医学部医学科卒業。東京大学医学部皮膚科教室にて診療、研究、教育に携わった後、千葉県浦安市にて「ニュー上田クリニック」を開業。01年、国立スポーツ科学センターのオープンに伴い、メディカルセンター皮膚科を兼任。著書に『スポーツと皮膚』(文光堂)、『ようこそ、これからのSkin Careへ』。野際陽子著『70からはやけっぱち』(KADOKAWA/メディアファクトリー)には、野際氏との対談も収録されている。

 

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