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明治、大正、昭和を生き、着物を愛した人が綴る日々『今昔』

 

今日のカフェボンンボンは、『今昔』

明治、大正、昭和を生きた森田たまのエッセイ集。着物を愛した人の暮らしぶりが伺える名随筆です。

『今昔』(著者:森田たま/出版社:暮しの手帖社)
『今昔』(著者:森田たま/出版社:暮しの手帖社)

森田たまさんは、着物の美しさ、着やすさを誰よりも知っていた。関西人と東京人の着物の好みや仕立て方の違い、着物を着る真の楽しみは何かなど、その答えは斬新な考察に満ちている。

けれど一方では「その着物を日本の女は捨てなければならない」と言い続けた人でもあります。

「着物の袖たもとには封建社会の悲しい匂いが染みついている。」「その着物を捨てなければ日本再建はなりがたい。」

森田さんは「愛着極まりなき着物を捨てても、世界の水準と肩をならべる生き方をしたい」と強く願っていたのです。1962年には参議院議員に立候補し、きもの博物館設立に奔走したといいます。

着物を愛するがゆえに、一度は着物を捨てる覚悟をした人。時折文章にあらわれる古風な言い回しは、昔の人の気概に触れたようで背筋が伸びます。

赤い着物の柄の装丁も気に入っています。

Love, まっこリ〜ナ

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「まっこリ~ナのカフェボンボン」を読んでくださってありがとうございます。「カフェボンボン」が心ときめく本との出会いの場となりますように。

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小説から絵本まで、編集者が選ぶ”朝読書”におすすめの1冊
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まっこリ〜ナ

編集者・ライター

出版社勤務を経てフリーランスに。図鑑や写真集、子どもの本や雑誌などの編集に携わる。本がくれる愛のチカラを糧に生きる日々。いちばん好きな本の主人公は長くつ下のピッピ。
趣味は草花園芸、編み物、ランニング、スポーツ観戦。

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