今日のカフェボンンボンは、『今昔』。
明治、大正、昭和を生きた森田たまのエッセイ集。着物を愛した人の暮らしぶりが伺える名随筆です。
森田たまさんは、着物の美しさ、着やすさを誰よりも知っていた。関西人と東京人の着物の好みや仕立て方の違い、着物を着る真の楽しみは何かなど、その答えは斬新な考察に満ちている。
けれど一方では「その着物を日本の女は捨てなければならない」と言い続けた人でもあります。
「着物の袖たもとには封建社会の悲しい匂いが染みついている。」「その着物を捨てなければ日本再建はなりがたい。」
森田さんは「愛着極まりなき着物を捨てても、世界の水準と肩をならべる生き方をしたい」と強く願っていたのです。1962年には参議院議員に立候補し、きもの博物館設立に奔走したといいます。
着物を愛するがゆえに、一度は着物を捨てる覚悟をした人。時折文章にあらわれる古風な言い回しは、昔の人の気概に触れたようで背筋が伸びます。
赤い着物の柄の装丁も気に入っています。
Love, まっこリ〜ナ
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