[あしたの朝ごはん]第19話:母と娘のバトル

(この物語のあらすじ)

フリーライターの莉子は、店主のハルコさんおいしい朝ごはんを作る「カフェ あした」の常連客。東京から遠く離れた架空の小さな街・夢野市で、愉快な人びとや魅力的な食材が出会って生まれる数々の出来事。

そんな日常の中で、主人公の莉子が夢をかなえる鍵を見つけていきます。第3週は「女友達と待ち合わせ」。

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第19話:母と娘のバトル

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(第3週:女友達と待ち合わせ)

「とんでもない。道理には道理を、でガンガン攻めてくるわよ。

わたしの道理と、遥の道理がぶつかりあって、火花で火事が起きそうよ。せっかく建てた新居が燃えたら大変だわ、ローン地獄で家もないなんて」

「わお、泣く子も黙る由美が、唯一黙らせられないのが娘ってわけかあ」

「将来が思いやられるよ。母は強しっていうけど、これくらいの強さじゃ全然足りない」

あはあはと笑い合う。

ふと、由美と2人で高校の制服を着て、放課後の教室でしゃべっているような気がする。

「夢野なんてつまんない」とぐずぐずと文句を並べて、自分たちの可能性は夢野にいる限り、どうしたって花開かないのだと思い込んで。

あれから15年近くたった。いま、また同じふるさとの片隅で、朝ごはんを食べながらとりとめのない話をして笑っている。

「わたしの愚痴はいいわよ。それより、莉子、すごいじゃん。会社を辞めて独立したんだね。おめでとう。お祝いも言えてなかったね」

「まあね、ありがとう。例の夢野市広報のコラムのネタ、由美に相談しようと思ったんだ」

「ママ友ネットワークもあるし、なんでも聞いてよね。お役に立てれば幸いです」

「ありがとう、心強い」

2人とも、旺盛な食欲は昔とかわらない。しゃべりながら、2つのおにぎりをぺろりと平らげた。ハルコさんに紅茶をふたつ頼む。ゆっくりと飲んで、ほっとため息をつく。

「ああ、こうして外に出て、誰かが淹れてくれたお茶をしみじみと飲むって、最高のときよねえ」

由美は遠い目をした。わたしには分からない暮らしがあるのだろう。同級生の女友達というだけでは分かり合えないことが。

「莉子はどんなこと書きたいの?」

「そうね。遥ちゃんと同じかな、わたしもダイエットは気になってるかも。痩せたいと願うのは結局、女子の永遠の課題なのだなあ」

そのとき、由美のスマホが振動した。「あれ?遥の学校からだ」

(明日の朝につづく)

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由美が遠い目をして語った「外で、誰かが淹れてくれたお茶をしみじみ飲むのって最高」。家事や育児で本当に忙しいんだろうな、ということが良くわかりますよね。

そんなときの紅茶ってとってもおいしいものですが、種類や違いを知っていたり、相性の良いスイーツがあれば、「最高」よりさらに上の時間になるかも?ちょっとおさらいしてみませんか♪

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(この小説は毎朝4時更新です。続きはまた明日!)

★この物語の登場人物
波多野莉子(はたの りこ)・・・一人暮らしのフリーライター。30歳。夢野市で生まれ育つ。
ハルコ・・・朝ごはんだけを出す「カフェ あした」の店主。34歳。莉子に慕われている。

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朝の小説「あしたの朝ごはん」

毎朝更新。朝ごはんがおいしいカフェを舞台に、主人公が夢をかなえていく日常をつづるストーリー。
Written by

松藤 波

松藤波(まつふじ・なみ)
小説好きが高じて、家事のかたわら創作をする30代の主婦。好きな作家は田辺聖子、角田光代。家族がまだ起きてこない朝、ゆっくりお茶を飲みながら執筆するのが幸せなひととき。趣味は読書と、おいしいランチの店を探すこと。

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