今日のカフェボンボンの本棚は、日曜日の絵本。
草原に迷い込んだ女の子の物語。酒井駒子が草原の濃密な空気を描く、生命感あふれる絵本です。
絵本を読みながら目をつむると草の匂いがする。川が流れる音も聞こえてくる。
家族で川遊びにきていた女の子が、ちょうちょを追いかけて草原に入り込む。まてまてちょうちょと、草をかきわけてどんどん進んでいきます。やがて少女は草の海のなか。たったひとり緑の波に漂う。聞こえるのは風の音とそれから……。
背の高い草を揺らして風が流れてゆく。その時、まわりの時間もいっしょに流れていくのに、女の子のいるその場所だけぴたりと時計の針が止まっているよう。
夢か現実かわからないような、幼い頃の不思議な感覚を思い出します。そっと心にしまっておきたいお話です。
『くさはら』
文:加藤幸子/絵:酒井駒子
出版社:福音館書店
イマジネーションが広がる日曜日。
一冊の素敵な絵本と出会ったら、いつもと少しだけ違う月曜日が始まります。
楽しい休日を。
Love, まっこリ〜ナ
*朝読書のすすめ『まっこリ~ナのCafe BonBon』連載一覧はこちらです。
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