今日のカフェボンボンは、『木の音をきく』。
父が亡くなり、母と遠くへ引っ越していく少女のモノローグ。「思い出は消えない」をテーマにした、胸を打つ絵本です。
『木の音をきく』
文:リーッタ・ヤロネン/絵:クリスティーナ・ロウヒ/訳:稲垣美晴
出版社:猫の言葉社
駅のそばの大きな木。そっと木の下に立って、「わたし」はカラスたちを見上げる。お母さんとわたしはもうすぐ知らない町に引っ越す。
そうすると、この木やカラスに会えなくなるの。急にカラスたちが飛び立って、木が揺れ始めた。さよならを言うように……。
ねえ、さびしさって何だろう。この木もさびしさを知っているのかな。少女は亡くなったお父さんを想いながら、木にぎゅっと触ってみる。抱きかかえ、目を閉じて、耳を澄まして。
少女とカラスの木の「朝時間」は、お父さんの思い出。
体じゅうでさびしさを感じても、お父さんはそばにいる。いつもわたしを見ていてくれる。思い出は決してなくならない。
フィンランドの美しい感動作をクリスマス・イヴに。明日はこの本の続編をお届けします。
Love, まっこリ〜ナ