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フィンランドの感動作『木の音をきく』

 

今日のカフェボンボンは、『木の音をきく』

父が亡くなり、母と遠くへ引っ越していく少女のモノローグ。「思い出は消えない」をテーマにした、胸を打つ絵本です。

20131224

木の音をきく
文:リーッタ・ヤロネン/絵:クリスティーナ・ロウヒ/訳:稲垣美晴
出版社:猫の言葉社

駅のそばの大きな木。そっと木の下に立って、「わたし」はカラスたちを見上げる。お母さんとわたしはもうすぐ知らない町に引っ越す。

そうすると、この木やカラスに会えなくなるの。急にカラスたちが飛び立って、木が揺れ始めた。さよならを言うように……。

ねえ、さびしさって何だろう。この木もさびしさを知っているのかな。少女は亡くなったお父さんを想いながら、木にぎゅっと触ってみる。抱きかかえ、目を閉じて、耳を澄まして。

少女とカラスの木の「朝時間」は、お父さんの思い出。

体じゅうでさびしさを感じても、お父さんはそばにいる。いつもわたしを見ていてくれる。思い出は決してなくならない。

フィンランドの美しい感動作をクリスマス・イヴに。明日はこの本の続編をお届けします。

Love, まっこリ〜ナ

 

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Written by

まっこリ〜ナ

編集者・ライター

出版社勤務を経てフリーランスに。図鑑や写真集、子どもの本や雑誌などの編集に携わる。本がくれる愛のチカラを糧に生きる日々。いちばん好きな本の主人公は長くつ下のピッピ。
趣味は草花園芸、編み物、ランニング、スポーツ観戦。

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