今日のカフェボンボンは、宇野亜喜良が描く絵本『悪魔のりんご』。
お母さんとはぐれた女の子と年老いた悪魔の、毒りんごを巡るお話。優雅でお洒落な大人の絵本です。
『悪魔のりんご』
作:舟崎克彦/画:宇野亜喜良
出版社:小学館
宇野亜喜良氏の絵を見ると、蠱惑的だなあと思う。遠くを見つめる少女の表情は大人びていて、煙草のけむりに包まれた「悪徳の世界」を知ってしまったかのような。この本の少女もそんな顔つきをしている。
ひとりぼっちで途方にくれるジプシーの女の子とさすらいの悪魔が荒野で出会う。年老いた悪魔はおなかをすかせていて、魔法の力ももう失せている。ブルーのマントはボロボロ。ちょっと切ない。一人前の女のようにクールな瞳の女の子の心は、とてもやさしい。
「おじさん!!」「あたしの母さんを知らない?」とかけ寄る少女に、悪魔はうろたえちゃう。だって「おじさん」なんて呼ばれたの生まれてはじめてだったから。
少女と悪魔の「朝時間」は、りんごの木の根元の泉。澄んだ泉は悪魔の流した涙です。
本書は日本絵本賞受賞作。洗練された絵とストーリーを楽しんで!!
ちょうど 「宇野亜喜良「5月の唄」展」が開催中です。
LIBRAIRIE6/シス書店(東京都渋谷区恵比寿)2013年 5月26日(日)まで(月、火休み)。
母の日に。
Love, まっこリ〜ナ