【朝の小説:シンデレラの朝ごはん】5章「裸足のままで」Vol.46 邪魔者かキューピットか

 

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久々に降り立った中華街駅。

あれから、髪の毛を切っていない。伸びに伸びていた髪の毛をさらすのも恥ずかしかったが、痩せてからここに来るという意地を優先した。

5ヶ月まで前慶太さんに会いたくて、3週間に一度通っていたのだから。

紗江からのメッセージは、裕也に会って、気持ちが復活したという内容だった。

裕也に紗江のことを話したのも、紗江に裕太のことを話したのも私だ。

お互いが後悔していて、いまだ頼っているようだった。

ダイエットして自信がついても、そこまで自分のために生きられない。

この2人の間で、私は、邪魔者になるかキューピットになるかだ。

いいコぶっているだけかもしれないけれど、それなら私はキューピットを選択する。

自分の気まずさをどうにも払拭しきれず、この1ヶ月、裕太へも紗江とも連絡をとらなかった。

「見とれたよ、奈美ちゃん」

慶太さんは目をまん丸くしていた。

(この小説は、毎朝4時更新です。続きはまた明日!)

 

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物語の登場人物

佐藤奈美(30)特許取得を専門とする弁理士事務所に勤める事務員。

結城紗江(30)中堅劇団の舞台女優。奈美と大学サークルの同期。

森野由加利(30)投資銀行に勤めるキャリアウーマン。奈美と大学サークルの同期。

近藤安子(30)専業主婦。一児の母。奈美と大学サークルの同期。

遠野裕也(30)紗江の大学時代の恋人。

伊藤慶太(34)奈美の行きつけの美容室のスタイリスト。

 

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朝の小説シリーズ

毎朝読みたい小説シリーズ「やっぱり朝は、二度寝が好き。(完)」「シンデレラの朝ごはん(完)」
Written by

石垣モンブラン

幼少期から創作好きで、3歳児で替え歌発表(笑)、小学時代に学習発表会の脚本、絵本を制作、中学から新体操やダンスの振付をはじめる。現在は、小中学生のミュージカル劇団「リトル・ミュージカル」主宰。台詞をこどもたち全員で創るという他にはないミュージカルの脚本原案、作詞作曲、振付を担当。だけど大人の恋愛模様が大好き。ライトノベルや映像脚本も執筆し続ける。

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