【朝の小説:シンデレラの朝ごはん】4章「野心家の猫」Vol.35 ロマンチスト!?

 

vol35

「そういえば、奈美は、どうしてダイエットしているの?」

安子の洞察力からすればすべてが見破られているような気がして、ほんの一瞬背筋に緊張が走ったけれど、正直に話をしてみたいと思った。

「担当の美容師さんのことが気になっていたの」

もう2ヶ月も前のあの日のことが、随分前のように感じたことが嬉しかった。安子に一部始終を話したあと、安子が大笑いするので、私もつられた。

「奈美って、いかにもって男がタイプだったのね、知らなかったよ」

その時々、優しい人になびいていたのかも。

私は、改めて自分の恋愛能力の低さにうなだれ、幼い私を遠ざけたくなった。

「実は、一番ロマンチストは、奈美だったんだね」

安子は、面白がってくる。ふと、シンデレラストーリーといった表現を裕也にも馬鹿にされたことを思い出す。

(この小説は、毎朝4時更新です。続きはまた明日!)

 

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物語の登場人物

佐藤奈美(30)特許取得を専門とする弁理士事務所に勤める事務員。

結城紗江(30)中堅劇団の舞台女優。奈美と大学サークルの同期。

森野由加利(30)投資銀行に勤めるキャリアウーマン。奈美と大学サークルの同期。

近藤安子(30)専業主婦。一児の母。奈美と大学サークルの同期。

遠野裕也(30)紗江の大学時代の恋人。

伊藤慶太(34)奈美の行きつけの美容室のスタイリスト。

 

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朝の小説シリーズ

毎朝読みたい小説シリーズ「やっぱり朝は、二度寝が好き。(完)」「シンデレラの朝ごはん(完)」
Written by

石垣モンブラン

幼少期から創作好きで、3歳児で替え歌発表(笑)、小学時代に学習発表会の脚本、絵本を制作、中学から新体操やダンスの振付をはじめる。現在は、小中学生のミュージカル劇団「リトル・ミュージカル」主宰。台詞をこどもたち全員で創るという他にはないミュージカルの脚本原案、作詞作曲、振付を担当。だけど大人の恋愛模様が大好き。ライトノベルや映像脚本も執筆し続ける。

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