【朝の恋愛小説:やっぱり朝は二度寝が好き 】 Vol.41 時間が解決すること

 

【朝の恋愛小説】 Vol.41 時間が解決すること

誠士は、ロンドン支店にもすぐに溶け込んだらしい。

同期の忘年会で、誠士の話で盛り上がった。誠士は、本当に人気モノだったんだと気がつく。

私は写真を撮ることで、自分の素直な気持ちを少しずつ取り戻してきていた。まるでセラピーのような時間だ。

恋愛偏差値は低いままだと思うけど、人生経験値少し、上がった気がしている。

半年休んでいたフラワーアレンジメントを再開することにした。

「萌乃さん」

この声の主は、そう、裕太だ。だから、休んでいたというわけだ。

「萌乃さん、どうしてLINEいなくなっちゃうんですか、あれから、倫太郎さんもなんかおかしいし」

「ごめん裕太君、アラサーになると色々あるんだって。悪気はないの!ごめんね」

「萌乃さん、今度ご飯いきましょうね」

「うん、ありがと」

「裕太!」 背後に女の子の声がした。

自信がなくて、自分の本当の気持ちが分からないと、たとえ人に好かれても、受け止められないのだと。またひとつ、曖昧だったことが分かった。

裕太君を振り返らずに、ぐっと扉を押しあけた。

(この小説は、毎日更新です。続きはまた明日!)

 

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物語の登場人物

立川萌乃(もえの) 28歳

静岡出身。銀行の一般職。趣味で、フラワーアレンジメントをならう。早起きできる朝美人に憧れている。

新城雪乃(ゆきの) 28歳

萌乃と同じ高校時代からの友人。なんでも出来る格好いい人物として萌乃からは頼りにされている。

藤井倫太郎(りんたろう)28歳

萌乃、雪乃と同じ高校のサッカー部出身で東京の大学へ進み、留学。外資系投資銀行につとめるいわゆるエリート。

木村ことみ 28歳

萌乃の同期で、同じ支店にずっと勤めている。常識人であり現実主義者。

柳原誠士(せいじ)28歳

萌乃とことみの同期入社である、総合職の銀行マン。

近藤裕太(ゆうた)24歳

萌乃がフラワーアレンジメントの教室の隣にあるパーソナルトレーニングスタジオのトレーナー。

 

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朝の小説シリーズ

毎朝読みたい小説シリーズ「やっぱり朝は、二度寝が好き。(完)」「シンデレラの朝ごはん(完)」
Written by

石垣モンブラン

幼少期から創作好きで、3歳児で替え歌発表(笑)、小学時代に学習発表会の脚本、絵本を制作、中学から新体操やダンスの振付をはじめる。現在は、小中学生のミュージカル劇団「リトル・ミュージカル」主宰。台詞をこどもたち全員で創るという他にはないミュージカルの脚本原案、作詞作曲、振付を担当。だけど大人の恋愛模様が大好き。ライトノベルや映像脚本も執筆し続ける。

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