朝、がんばって早く起きた。
行動を変えることで、思考も変えられる。
だから、気分はのらなかったけど、一度挑戦してみたかった「本格派のエッグベネティクト」を作ってみたら、案外うまくできた。
確かに気持ちが変わる。
ダウンロードしたままになっていたインスタグラムを起動して、投稿してみた。
朝時間のハッシュタグをつけたら、いつも憧れで除いていた朝時間のサイトにもわたしの写真が掲載された。
なんだか嬉しい!
ちょっとしたことだったとしても、自分の行動が、自分の支えになっていく。
他の写真も素敵で、時間を忘れてみていたら、そこに、ランニングシューズの影の写真に目がとまった。素敵!!
ユーザネームに目をやるとRintro.Fと書いてある。
もしかして藤井くん?
LINEで確認してみると本人だった。
わたしのエッグベネディクトも見ていたらしく「僕にも作ってよ」なんて気軽に話しかけてくる。
私は皮肉たっぷりに
「雪乃に作ってもらいなさいT0T」
と返して、冷えたエッグベネディクトをほおばった。
頬はまた、冷たくなった。
(この小説は、毎日更新です。続きはまた明日!)
物語の登場人物
立川萌乃(もえの) 28歳
静岡出身。銀行の一般職。趣味で、フラワーアレンジメントをならう。早起きできる朝美人に憧れている。
新城雪乃(ゆきの) 28歳
萌乃と同じ高校時代からの友人。なんでも出来る格好いい人物として萌乃からは頼りにされている。
藤井倫太郎(りんたろう)28歳
萌乃、雪乃と同じ高校のサッカー部出身で東京の大学へ進み、留学。外資系投資銀行につとめるいわゆるエリート。
木村ことみ 28歳
萌乃の同期で、同じ支店にずっと勤めている。常識人であり現実主義者。
柳原誠士(せいじ)28歳
萌乃とことみの同期入社である、総合職の銀行マン。
近藤裕太(ゆうた)24歳
萌乃がフラワーアレンジメントの教室の隣にあるパーソナルトレーニングスタジオのトレーナー。