翌日、早く起きられた。
LINEを見ると、誠士から「おはよ」と、
ハートであしらわれたスタンプが送られてきた。
寝返りを打ちながら、スタンプを返すと、誠士から
「オレ、もう我慢しないから」
とメッセージが送られてきた。なんちゃってなっしーのスタンプと一緒に。
恥ずかしくって、嬉しくって、ベットの中で、カラダをくねらせた。
いや、押しの強い男に騙されてはいけない。
起き上がってシャワーを浴びた。
朝起きるのが楽しくなったのは事実。
絶望感で早く起きる朝とは随分、気持ちが違う。
シャワーから上がって携帯を手にとると、今度は、朝の写真が送られてきた。
毎日朝の写真を撮って、インスタグラムに投稿しているらしい。
少しでも、朝早く起きて勉強できるように。
ホントは、二度寝が大好きだからって。
誠士、ロンドン行き勝ち取るために、ものすごく努力していたんだな。
その日のランチは言うまでもなく、ことみの質問攻めだった。
(この小説は、毎日更新です。続きはまた明日!)
物語の登場人物
立川萌乃(もえの) 28歳
静岡出身。銀行の一般職。趣味で、フラワーアレンジメントをならう。早起きできる朝美人に憧れている。
新城雪乃(ゆきの) 28歳
萌乃と同じ高校時代からの友人。なんでも出来る格好いい人物として萌乃からは頼りにされている。
藤井倫太郎(りんたろう)28歳
萌乃、雪乃と同じ高校のサッカー部出身で東京の大学へ進み、留学。外資系投資銀行につとめるいわゆるエリート。
木村ことみ 28歳
萌乃の同期で、同じ支店にずっと勤めている。常識人であり現実主義者。
柳原誠士(せいじ)28歳
萌乃とことみの同期入社である、総合職の銀行マン。
近藤裕太(ゆうた)24歳
萌乃がフラワーアレンジメントの教室の隣にあるパーソナルトレーニングスタジオのトレーナー。