【朝の恋愛小説:やっぱり朝は二度寝が好き 】 Vol.26 何が言いたいの?

 

Vol.26 何が言いたいの?

誠士が連れて来てくれたのは、郊外の一軒家フレンチだった。

ミシュランでこそ2つ星だけど、関東イチ予約がとれないことで有名なお店。

「わたし、誠士にこのお店のこと話したことあった?」

「いや?この店、オレも行きたかったの」

「わたしもずっと行きたかったの、予約どうやってとったの?」

誠士は満足そうな表情をして、店にエスコートしてくれた。

最初に出会った飲み会で、学生みたいに騒いでいた誠士。
幼く感じていたけど、今隣にいる誠士は、頼りがいがあって、いつの間にか、精神的にも追い抜かれたような感覚に陥った。

「ホントにありがとう」

素直に言葉がでてくる。
誠士が優しい表情をした。

「萌乃は、仕事、順調?」

「うん、そうだね。支店の人たちみんないい人だし」

「でも、ずっと同じメンバーだろ?支店」

「そうね、岩田さんなんて10年選手だ」

と言って笑っていたら

「それでいいの?萌乃は。ずっとテラー(窓口業務)で」

「え?」

「オレも随分と苦労したんだ、同期はみんなライバルだし
ひとつでもミスしたら、銀行では上にはあがれないだろ?」

誠士は何が言いたいの?

(この小説は、毎日更新です。続きはまた明日!)

 

続き(Vol.27)を読む >>

<< 前回(Vol.25)を読む

 

物語の登場人物

立川萌乃(もえの) 28歳

静岡出身。銀行の一般職。趣味で、フラワーアレンジメントをならう。早起きできる朝美人に憧れている。

新城雪乃(ゆきの) 28歳

萌乃と同じ高校時代からの友人。なんでも出来る格好いい人物として萌乃からは頼りにされている。

藤井倫太郎(りんたろう)28歳

萌乃、雪乃と同じ高校のサッカー部出身で東京の大学へ進み、留学。外資系投資銀行につとめるいわゆるエリート。

木村ことみ 28歳

萌乃の同期で、同じ支店にずっと勤めている。常識人であり現実主義者。

柳原誠士(せいじ)28歳

萌乃とことみの同期入社である、総合職の銀行マン。

近藤裕太(ゆうた)24歳

萌乃がフラワーアレンジメントの教室の隣にあるパーソナルトレーニングスタジオのトレーナー。

 

この記事を書いた人
Nice to meet you!

朝の小説シリーズ

毎朝読みたい小説シリーズ「やっぱり朝は、二度寝が好き。(完)」「シンデレラの朝ごはん(完)」
Written by

石垣モンブラン

幼少期から創作好きで、3歳児で替え歌発表(笑)、小学時代に学習発表会の脚本、絵本を制作、中学から新体操やダンスの振付をはじめる。現在は、小中学生のミュージカル劇団「リトル・ミュージカル」主宰。台詞をこどもたち全員で創るという他にはないミュージカルの脚本原案、作詞作曲、振付を担当。だけど大人の恋愛模様が大好き。ライトノベルや映像脚本も執筆し続ける。

連載記事一覧

今日の朝の人気ランキング