今日のカフェボンボンは、『いちばん美しいクモの巣』。
『ゲド戦記』『闇の左手』などの作者アーシュラ・K・ル=グウィンが贈る、自然の美しさと不思議を描いた傑作です。
『いちばん美しいクモの巣』
著者:アーシュラ・K・ル=グウィン/訳:長田弘
出版社:みすず書房
夏の朝、露にきらめくクモの巣を見つけると、あまりに見事な出来ばえにいつも感嘆します。小さなクモがたった一匹、いったいどうやって、こんなに大きく精巧な糸を編み上げたのかしら?
物語の主人公はリーゼ・ウェブスターという名前のかわいいクモ。だれもいないお城に住んでいます。昔の王様の部屋は、古いクモの巣で覆われています。新しく巣をかける場所を探し、リーゼは美しい模様のクモの巣をかけ始めるのですが……。
リーゼの夢は世界でいちばん美しい、宝石のような光が宿るクモの巣を作ること。生まれたときに見た王様の椅子の宝石の輝きが忘れらないのです。
クモが巣を作る夏の夜の温かい闇、城の庭にしのびこむ夕暮れの気配。美しい自然のなかで小さな生き物の命が輝く物語です。
クモのリーゼの「朝時間」は、昇る朝日に輝くクモの巣の露。本のお供には、白い花のエルダーフラワー・ジュースをいかがですか。初夏に咲くエルダーツリー(西洋ニワトコ)の花を集めて作ったジュース。白い花からはマスカットのような甘い香りが漂います。
Love, まっこリ〜ナ