チェコと日本のふたりの画家の出会いから、美しい絵本が生まれました。美しいチェコの自然を背景に、かえでの葉の生涯の旅を描きます。
『かえでの葉っぱ』
著者:デイジー・ムラースコヴァー/訳:関沢明子/絵:出久根育
出版社:理論社
金色とピンク色をしたかえでの葉。木のてっぺんで、いつか飛び立つのを楽しみに待っていました。ある日、葉っぱは木から離れ、風に舞いながら、まだ見たことのない世界へと旅立っていきます。
すき返したばかりの畑から秋の草花が咲く草原へ、そして小川の流れへと旅は続きます。季節が移っていくにつれ、葉っぱも元の色が失せていきます。
かえでの葉の「朝時間」は、葉の上に霜が降りた朝。白い模様をまとった葉は「ぼくはまたきれいになった」と思うのです。
葉を運ぶ強い風や鳥の声、旅のはじめに出会った少年のこと。すべてが小さな葉っぱに刻みつけられています。
チェコを代表する画家のムラースコヴァーさんの作品に、40年以上の時を経て、古都プラハ在住の出久根育さんが素晴らしい絵を描きました。おふたりとも冬の風景がお好きだそうです。この絵本の冬景色は出色の出来で、雪の下に息づく命を感じさせます。
先日ご紹介した絵本『ワニ』も合わせてご覧くださいね。
ちょうど 「―プラハでつむぐ幻想― 出久根育の絵本展」が開催中です。絵本の原画や卵テンペラという特殊な技法、プラハの暮らしなどが紹介されています。
いわさきちひろ美術館(東京)2013年1月31日(木)まで。
Love, まっこリ〜ナ
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