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木をテーマにした本②宮沢賢治の『いちょうの実』

 

今日のカフェボンボンは、『いちょうの実』
宮沢賢治の作品『いてふの実』をもとにした絵本です。

人気ユニット100%ORANGEの及川賢治さんが、いちょうの木とその実の旅立ちを生き生きと描きます。

20141205

いちょうの実
作:宮沢賢治/絵:及川賢治
出版社:三起商行

それは、冷たく澄み切った明け方でした。いちょうの実がみんな一度に目を覚まし、旅立ちの日を迎えます。

丘の上の銀杏の木はお母さん、黄金色の実は、今年生まれた千人の子どもたちです。お母さんは子どもたちとの別れを悲しむあまり、扇形の黄金の髪の毛をみんな落としてしまい……。

未来へ心を弾ませる子、不安そうな子、兄弟を思いやる子。いちょうの実の表情やしぐさがひとりひとり違う。無邪気なおしゃべりにもお母さんへの愛があふれます。

いちょうの「朝時間」は、桔梗の花びらのように底光りする東の空。

「そらのてっぺんなんか冷たくて冷たくてまるでカチカチの灼(や)きをかけた鋼(はがね)です。」賢治が独特なことばで表現した特別な朝が、いつまでも心に残ります。

星が消え桔梗色の空が白くなったら、旅立ちの合図。別れの時が刻々と近づいてきます。

Love, まっこリ〜ナ

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小説から絵本まで、編集者が選ぶ”朝読書”におすすめの1冊
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まっこリ〜ナ

編集者・ライター

出版社勤務を経てフリーランスに。図鑑や写真集、子どもの本や雑誌などの編集に携わる。本がくれる愛のチカラを糧に生きる日々。いちばん好きな本の主人公は長くつ下のピッピ。
趣味は草花園芸、編み物、ランニング、スポーツ観戦。

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