今日のカフェボンボンのおすすめメニューは、『この世界いっぱい』。
カリフォルニアを舞台に、雄大な自然と人の営みをいきいきと描いた絵本です。
『この世界いっぱい』
著者:リズ・ガートン・スキャンロン/絵:マーラ・フレイジー/訳:長田弘
出版社:ブロンズ新社
目に飛び込んでくる大海原、荒れ狂う空、星降る夜。見開きいっぱいに広がる景色は、ダイナミックな生命感にあふれている。
海辺には若い家族が遊び、豊かに実る畑には収穫を楽しむ人たちがいる。どの風景も、人間や生きものがいてこそ成り立っている、という感じがします。大雨の前の不穏な空にも、巣から飛び去る鳥たちの気配。慌ただしい羽ばたきが聞こえてきます。
ずぶ濡れで飛び込んだカフェは明るくにぎやかで、ごちそうの匂いに満ちて、“この世界いっぱい寒くって暖かい”……。
私は、夕暮れ時やしんとした夜にいつも心細くなるけれど、そんな時、人の温もりを感じられれば、この世界いっぱいに生きてると思えるの。日の暮れの早さにさびしい気持ちになったなら、ぜひこの絵本を手にとってみてください。
カリフォルニア沿岸の「朝時間」は、丘の上で木登りをする子どもたち。
朝日の空が真昼の青空に変わっていくのを、大きな木の枝に座って眺めています。木に抱かれた子どもは、幹の手触りやぶらぶらする足で、世界を丸ごと感じているのでしょうね。
絵本のお供には、本の中のカフェにちなんで、焼きたてのパンとスープをいかがですか?
Love, まっこリ〜ナ