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世界いっぱいの喜びと温もりに満ちた絵本

 

今日のカフェボンボンのおすすめメニューは、『この世界いっぱい』
カリフォルニアを舞台に、雄大な自然と人の営みをいきいきと描いた絵本です。

20120909

この世界いっぱい
著者:リズ・ガートン・スキャンロン/絵:マーラ・フレイジー/訳:長田弘
出版社:ブロンズ新社

目に飛び込んでくる大海原、荒れ狂う空、星降る夜。見開きいっぱいに広がる景色は、ダイナミックな生命感にあふれている。

海辺には若い家族が遊び、豊かに実る畑には収穫を楽しむ人たちがいる。どの風景も、人間や生きものがいてこそ成り立っている、という感じがします。大雨の前の不穏な空にも、巣から飛び去る鳥たちの気配。慌ただしい羽ばたきが聞こえてきます。

ずぶ濡れで飛び込んだカフェは明るくにぎやかで、ごちそうの匂いに満ちて、“この世界いっぱい寒くって暖かい”……。

私は、夕暮れ時やしんとした夜にいつも心細くなるけれど、そんな時、人の温もりを感じられれば、この世界いっぱいに生きてると思えるの。日の暮れの早さにさびしい気持ちになったなら、ぜひこの絵本を手にとってみてください。

カリフォルニア沿岸の「朝時間」は、丘の上で木登りをする子どもたち。

朝日の空が真昼の青空に変わっていくのを、大きな木の枝に座って眺めています。木に抱かれた子どもは、幹の手触りやぶらぶらする足で、世界を丸ごと感じているのでしょうね。

絵本のお供には、本の中のカフェにちなんで、焼きたてのパンとスープをいかがですか?

Love, まっこリ〜ナ

 

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小説から絵本まで、編集者が選ぶ”朝読書”におすすめの1冊
Written by

まっこリ〜ナ

編集者・ライター

出版社勤務を経てフリーランスに。図鑑や写真集、子どもの本や雑誌などの編集に携わる。本がくれる愛のチカラを糧に生きる日々。いちばん好きな本の主人公は長くつ下のピッピ。
趣味は草花園芸、編み物、ランニング、スポーツ観戦。

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