おはようございます。朝時間アンバサダーで、ダイエットインストラクターの岩瀬結暉です。
年末年始は家族や友人と過ごして、1日中食べたり飲んだりする機会が増えますよね。料理を用意してくれた人への配慮もあって、ダイエット中だから食べない…というわけにもいきません。
「それでも太りたくない!」という方におすすめしたいのが、食べるだけでエネルギー消費をする「DIT」の利用です。
DIT(食事誘発性熱産生)は、食べたものを消化・吸収する際に消費するエネルギーのこと。胃を動かして消化酵素を分泌するなど、食事をすることで、身体は地味にエネルギーを消費しているのです。
このDITは、食事の内容や時間によってその消費エネルギーが変わってくると言われています。この記事では、具体的な違いや活用法について解説します。
朝のDITは夜の4倍
2020年の研究によると、朝のDITは夜の約4倍高いことが確認されました。
研究の食事条件は
- 同一カロリー・同一栄養バランスであること
- タンパク質・脂質・炭水化物のバランスが一定であること
- 摂取時間 朝食: 午前7~9時 夕食: 午後7~9時
に設定。その結果は以下の通りです。
- 朝食時
消費エネルギー: 摂取カロリーの約15~20%
例: 500 kcalの朝食を摂取した場合、DITとして 75~100 kcal 消費
- 夕食時
消費エネルギー: 摂取カロリーの約5%
例: 同じく500 kcalの夕食を摂取した場合、DITとして 25 kcal 消費
このように、夕食時のほうがDITが低いことが分かりました。
DITによるエネルギー消費は、朝に最も高く、夕方から夜にかけて低くなり、夜中に最も低くなります。そのため、夜は朝食と同じ量の食事をとっても、DITで消費されるエネルギーが少ない分、太りやすいと考えられます。
年末年始に実家に帰省したり、旅行に出かけたりするときにダイエットを意識するなら、朝は家族と一緒においしい食事を楽しんで、夜は控えめにするのがいいかもしれません。
(お正月のおせちは朝に食べるのがよさそう)
栄養素によっても大きく違うDIT
DITのエネルギー消費率は、摂取する栄養素の種類によって異なります。それぞれの栄養素に対するDITの割合は以下のようになります。
栄養素別DITの割合(摂取エネルギーの%)
- タンパク質 20~30%
- 炭水化物 5~10%
- 脂質 0~3%
- アルコール 10~15%
例えば、100kcal分のタンパク質を摂取すると、20~30kcalがDITとして消費されるということ。
肉や魚、卵などのタンパク質は消化・吸収・代謝に多くのエネルギーを必要とするため、DITが最も高い栄養素です。アミノ酸の分解や尿素の生成など代謝過程や、筋肉の修復や生成に必要なエネルギーもDITに寄与するためです。
アルコールの代謝は肝臓での解毒過程が必要で、一定のエネルギーを消費します。しかし、アルコールを摂取すると、肝臓はアルコールの分解を優先して、アルコール分解が終わるまで糖質の代謝をしなくなります。その間に摂取した糖質は脂肪細胞に直接取り込まれやすいので、ダイエット中は控えた方が無難です。
※前述のとおり、DITは時間で変化するので、たんぱく質が朝も夜も30%消費されるわけではありません
食物繊維の追加でDITを増加させる
オートミールやリンゴなどの水溶性食物繊維は胃や腸の蠕動運動を活発にし、その過程でエネルギーを消費をアップ。全粒粉などの不溶性食物繊維は消化管の運動を促します。
これらの繊維を含む食事全体では、DITが最大で5~10%程度増加する可能性があります。
食物繊維はDITの向上とともに、満腹感の増加や血糖値の安定化など、他の代謝的な利点も提供されるので、野菜や海藻類もしっかり食べましょう。
ちなみに活動量によってもDITの値は変動します。定期的な運動もDITを高めるためには必要ですので、運動も取り入れながら上手に活用しましょう。
食事で基礎代謝アップ!「DIT効果」を上げて痩せ体質になる9つの方法
今日は、また別のダイエット方法として、「DIT」という消費エネルギーを利用して、食べること+αで基礎代謝をアップさせて消費カロリーを増やし、痩せ体質を目指す方法について解…
ご質問がございましたら、私のInstagram(@yukinyansa)のダイレクトメッセージにご連絡くださいませ。
☆この連載は【隔週火曜日】更新です。次回もどうぞお楽しみに!