そろそろ花粉が飛び始める頃。今年は花粉が少ないといわれていますが、花粉症の人にとってはゆううつな季節がやってきました。みなさんいろいろな対策をされていると思いますが、今回は睡眠との関わりと、ライターとしての取材で得た最新情報についてご紹介したいと思います。

 ■睡眠不足の人はアレルギー発症リスクも高くなる

睡眠不足が続くと、残業が増える?」でもご紹介したように、睡眠不足や睡眠障害は心身にさまざまな悪影響を及ぼします。その中のひとつに、免疫機能低下があげられます。アレルギー性疾患の発症リスクも増えるため、睡眠不足の人は風邪などを引きやすくなるだけでなく、花粉症の人は、症状が悪化しやすくなる恐れがあります。

 

今は花粉症ではないという人も、アレルギー体質であれば発症する可能性はあるので、心配な人は一度、血液検査で抗原があるかどうかを確認してみると良いでしょう。

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 ■花粉症は早期対策が重要

花粉症の症状をひどくしないためには、症状が軽いうちに対処することが大切なようです。というのも、アレルギー症状が出始めてしまうと、花粉に対して一層敏感になり、症状がひどくなることがあるため。

 

花粉症は一度発症したら、ほぼ自然には治らないといわれています。症状が出ないから治った(ほとんどの人の場合、花粉が少ないために症状が出ていないだけ)などと過信せず、花粉の季節にはマスクなどで花粉を身体に入れないように気をつけ、早めに薬を服用することが良いようです。

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 ■日中の内服薬は眠くならないものを!
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花粉症治療には民間療法を含めるとさまざまなものがあります。しかし、自分が何に対してアレルギーがあるのか、どんな治療や薬が適しているのかを正しく知るには、やはり専門医に相談するのがベスト。

 

というのも、現在、アレルギー症状を抑えるのに抗ヒスタミン薬が広く使われていますが、これは眠気をもたらすため、日中の覚醒度に影響してしまうことがあるからです。

 

本人は眠気を自覚していなくても、作業効率はウイスキー3杯程度を飲んだ状態と同程度まで低下してしまうそうで、(これを専門用語で「インペアード・パフォーマンス」というそう)通常の仕事に支障をきたすだけでなく、車を運転する人には居眠り事故を起こす割合が高くなり、とても危険です。

 

そんな人には、眠くなりにくい薬が登場しています。まだ新しい薬で、現在は病院で処方箋をもらわなければ手に入りませんが、眠気が気になる人には良いようです。バリバリと活動したい日中は眠くならないタイプを、速やかに眠りたい夜は従来の内服薬を利用するといったように、使い分けると良いかもしれません。

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外出時はマスクなどをして花粉をシャットアウトすることが大切ですが、家の中の花粉対策も重要です。とくに睡眠中は、空気中に舞っているホコリや花粉が下りてくるため、布団などに寝ていると花粉などが意外に侵入にしやすくなります。さらに口呼吸が習慣になってしまっている人は、花粉だけでなく、ホコリやウイルスなどがダイレクトに咽頭に付着してしまうため、病気になりやすいといわれているので(鼻呼吸をしていれば、鼻腔がフィルターの役目を果たし、ホコリなどの進入を減らしてくれる)、注意が必要です。

 

具体的な対策として、寝室を常に清潔に保つこと。床を掃除するときは、いきなり掃除機をかけるのではなく、吹き掃除をしてから掃除機をかけるとホコリが飛ばずに済みます。また、睡眠中は空気清浄器を使うこと。寝具は布団よりベッドにして床から距離を保つものにしましょう。

 

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ぐっすり睡眠&スッキリお目覚めのツボ[連載終了・全70回]

睡眠改善インストラクターによる快眠&めざめのヒント[連載終了・全70回]
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睡眠改善シニアインストラクター 竹内由美

日本睡眠改善協議会認定・睡眠改善シニアインストラクター。日本産業カウンセラー協会認定・産業カウンセラー。
米国Mary Baldwin College心理学科卒業。フリーの編集ライターとして美容や健康などに関する記事に携わり、その経験から睡眠やメンタルヘルスの重要性に気付き、上記の資格を取得。忙しい現代人にこそ良質な睡眠が大切だと、雑誌や講演活動などを通して睡眠について伝えている。
著書には「眠りダイエット」(文芸社)がある。

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