朝読書におすすめの本をご紹介する『まっこリ~ナのCafe BonBon』。小説やエッセイ、暮らしや料理の本など心に効く本をセレクトしています。
今日の「まっこリ~ナのカフェボンボン」の本棚は、小さな幸せを大事にしたくなる本。
慌ただしい毎日のなかで、見過ごしてきたこともたくさんあるかもしれないけれど、もう失いたくない、見逃したくない。暮らしのささやかな喜びに気づかせてくれる2冊を選びました。作家の吉本ばななさん、石田千さんの心にしみるエッセイをどうぞ。
身近にある幸せ。
ばななさんの小さな幸せ。それは何気ない日常のなかにある。たとえば、メダカの赤ちゃんを無心に見ているとき、毎日のおみそ汁を作りはじめるときに。それは懐かしい記憶のなかにもある。うたた寝をしていると、お母さんが毛布をかけてくれた。あの幸せな気持ちを一生忘れないという。
「小さな幸せは、たくさん集まっても決して大きな幸せにはならない。でもふと人を救ったり、よく眠らせたり、他の人に伝染したりする」とても素敵な言葉です。誰かの小さな幸せが、またほかの誰かをハッピーにするかもしれない。大切な人やものへの想いがあふれるエピソードが、幸福は自分が思うよりずっと身近なところにあると気づかせてくれる。
『小さな幸せ46こ』
著者:よしもとばなな
出版社:中央公論新社
いつも窓辺で。
毎日、心は揺れている。そんなとき、石田千さんはいつも窓の外を眺めている。「いろんな町の窓をながめ、暮らしてきた。くもった窓も、あかない窓ももあった。どの町も、泣いて笑って、おもしろかった」——。
つらいこともあるけれど、悲しみも心細さも飲み込んで、日常のこまごましたことを淡々とこなしていく。食べて飲んであっけらかんと笑う石田さんの姿に何度もぐっときました。そしてまた、いつもどおりに日々の暮らしを続けていくことの喜びも感じるのです。牧野伊三夫さんの挿絵とエッセイが静かに美しく響き合う一冊をどうぞ。
『窓辺のこと』
著者:石田千
出版社:港の人
くわしくはこちらの記事をどうぞ。
*『小さな幸せ46こ』
*『窓辺のこと』
ラブ&ピースな一日を。
Love, まっこリ〜ナ
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