【朝の恋愛小説:あしたの朝、ヨガスタジオで。Vol.52】Week 8(3)ビター&スイート

 

(この物語は…毎朝のヨガ習慣をはじめてから108日目を迎えた、ヨガが好きなOL 紗季に、久々に起こる、恋と仕事の変化。朝のヨガスタジオで巻き起こる男女のハートフルなラブストーリー。小説のストーリーに合わせ、毎週おすすめヨガポーズをご紹介します。

最終週であるWeek 8は、再び、主人公紗季の視点でストーリーが展開します!)

The hands of women who have a smartphone

Vol.52 Week 8 「本当にたいせつなものは」 (3)ビター&スイート

真治にそのお店のショップカードを渡して紹介すると「お、近くだ」と言いながら、チョコレートをほおばっていた。

その頃、白金と恵比寿の間に暮らしていた真治は、数ヶ月単位でチョコレート屋さんに行っては、必ずわたしの分も買って来てくれた。

その頃から、わたしにはこのチョコレートと同じようにほんのり淡い恋心が生まれていて、2人だけのお気に入りの味があることに少しの幸せを感じていたのだった。

甘酸っぱいクランベリーとカカオの苦みのバランスが絶妙なのだ。

 

あれ、なんかおかしいな。

涙が止まらない———。

 

わたしにはいま、最高のパートナーがいて、ニューヨークの真治のもとには、しおりがいる。突然休暇をとって、ニューヨークへいったしおりを応援したはずだ。

今頃2人は上手くやっているのだろうか。わたしの方が彼の隣の席を降りたのに、なぜいまになって心が痛いのだろう。

気のせいだ。長らく引きずっていた恋だから、たまに古傷のようにうずくだけだ。

きっと、優斗に会えば、忘れられる。

付き合ってから、お互いのペースを壊したくなくて、急に会おうなんて連絡することがなかったけれど、優斗さんに連絡をとってみることにした。

「Hello ? 」

おどけた口調で電話に出る。相変わらず、エンターテイナーの優斗さんだ。

「うれしいよ、連絡くれるなんて」

「そんなに薄情だったかな。今日もし暇してたら、これから会えないかなって思って」

「だって紗季ちゃんから僕を誘ってくれることなんてないじゃない」

わたしが、彼を不安にさせていたのだとしたら、もっと甘えることも大事なのかな。そんなことよりも、いまは、真治とのビター&スイートな思い出を消し去りたかった。

ごめんなさい、利用して。

「どうする?ご飯でも食べる?映画でも見る?」

(つづく)

今週のおすすめヨガ「ランジのポーズ(ひねり)」

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Week 8のおすすめは「ランジのポーズ(ひねり)」。

ランジのポーズにひねりを加えたもの。ひねるポーズは内臓にほどよい刺激を与えます。深い呼吸とともに、身体を下腹部からゆっくりひねりましょう。

安定感を欠いたり、内臓が重かったり、さまざまな気付きから、自分の身体の状態が分かるようになりますよ。

「ランジのポーズ(ひねり)」の流れ

  1. 両手を床につき、片足をその両手の間、もう一方の足は、大きく後ろに。後ろの足のかかとで後方を押します。
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  2. 状態をひねります。前方の足の太股の外側に、反対側のひじで押さえるようにひねります。深い呼吸を忘れずに。
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(この小説は毎朝4時更新です。続きはまた明日!)

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★この物語の登場人物
新城紗季(しんじょうさき/30歳)プロダクトブランド販売会社のマーケティング部につとめる。この物語の主人公。
アレクサンドル・ハミルトン(アレックス)(38歳)フランス系アメリカ人。ヨガスタジオを経営。
相場優斗(あいばゆうと/38歳)外資系投資銀行の行員。
桜井真治(さくらいしんじ/35歳)紗季と同じ会社でニューヨーク店勤務。紗季の元恋人。
東谷しおり(ひがしやしおり/25歳)ヨガ仲間のひとりで、紗季の会社の事務系OL。

 

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朝の小説シリーズ

毎朝読みたい小説シリーズ「やっぱり朝は、二度寝が好き。(完)」「シンデレラの朝ごはん(完)」
Written by

石垣モンブラン

幼少期から創作好きで、3歳児で替え歌発表(笑)、小学時代に学習発表会の脚本、絵本を制作、中学から新体操やダンスの振付をはじめる。現在は、小中学生のミュージカル劇団「リトル・ミュージカル」主宰。台詞をこどもたち全員で創るという他にはないミュージカルの脚本原案、作詞作曲、振付を担当。だけど大人の恋愛模様が大好き。ライトノベルや映像脚本も執筆し続ける。

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