【朝の恋愛小説:あしたの朝、ヨガスタジオで。Vol.1】Week 1(1)ニューヨークスタイルの朝ヨガを

 

(この物語は…毎朝のヨガ習慣をはじめてから108日目を迎えた、ヨガが好きなOL 紗季に、久々に起こる、恋と仕事の変化。朝のヨガスタジオで巻き起こる男女のハートフルなラブストーリー。小説のストーリーに合わせ、毎週おすすめヨガポーズをご紹介します。)

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Vol.1 Week 1 「再会と新しい出会い」 (1) ニューヨークスタイルの朝ヨガを

サンタの帽子をかぶったハイスクールの女の子たちが、ハンドベルでクリスマスナンバーを奏でている。

その背後に、ロックフェラー・センターのクリスマスツリーが光づく。女の子たちの頬は真っ赤で、行き交う人の吐く息は白い。

その白い幻想が永遠であるのを願って、慌ただしく息を吐く。自分が無邪気なこどもみたいで、ふいに笑ってしまう。吐く息とのリズムがズレて、ふがっと奇妙な音をたてた。

「あれ?これは・・・」

水気の多い雪の粒が、スタンドで買ったコーヒーのふたに降り注いで、小さな水たまりをつくった。わたしは、そっと空を見上げ、ふたたび視線を戻す途中、あの人の姿が飛び込んできた。

「待って・・・」

 

自分の声で起床―――。

今日は12月10日。2週間後のカレンダーが空欄の女の夢だ。わたしは、この手の夢に慣れすぎていて「はぁ、また夢ね」と頭で処理して、ぼんやり見た時計の表情に驚いた。

―AM6:00

今日は、朝ヨガをはじめて108日目の記念日、らしい。

なぜ、半端な数字で記念日かというと、煩悩の数だから?ヨガスタジオのイベントでは、よく108という数字を使ってイベント企画をする。

たいていは、深い意味なんてない。集まるきっかけを探していたいだけ。ヨガスタジオオーナーであるアレックスが、提案してくれたから、純粋に嬉しくて、喜んで受け入れた。

脳内で言い訳の言葉を次から次へと巡らせながら、起き上がると、クリスマスソングをマントラのように唱える。

そして、迷わずヨガウェアに着替える。その上にオフィスに着ていくための服を着こむ。顔を洗って、歯磨きをして。保湿のための最低限の基礎化粧品だけつけて、化粧ポーチをあわてて繕う。

何にでも合うヒールを大急ぎで履くのと同時に玄関のドアを開けて、ドン———。

 

玄関の扉を閉めた。その音がした瞬間、一瞬だけ「あの人」のことを思った。

(つづく)

今週のおすすめヨガ「ダウンドック」

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Week 1のおすすめは、ダウンドック(下を向いた犬のポーズ)。ダウンドックはヨガの代表的なポーズで、身体の後ろ側が伸び、めぐりが良くなるだけでなく、心が疲れている時、力を抜きたいとき、全身が固まっている時に最適。吐く息に注目しながら、一定時間このまま静止すると、心も落ち着いてきます。

「ダウンドック」ポーズの流れ

  1. アップ・ドッグの姿勢から、足の指を立てる。6ku2r5635
  2. 息を吐きながら「く」の字をつくるようなイメージで両手・両足を伸ばし、お尻を高く持ち上げる。7ku2r5636
  3. 両手の平全体・両足の指の付け根に均等に体重を落とすようにする。
  4. 首・肩の力を抜き、背中・腰を気持ちよく伸ばす。
  5. 太ももの内側を意識し、後ろへ押すようなイメージで内転させる。
  6. ここで5呼吸キープ。

 

(この小説は毎朝4時更新です。続きはまた明日!)

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★この物語の登場人物
新城紗季(しんじょうさき/30歳)プロダクトブランド販売会社のマーケティング部につとめる。この物語の主人公。
アレクサンドル・ハミルトン(アレックス)(38歳)フランス系アメリカ人。ヨガスタジオを経営。
相場優斗(あいばゆうと/38歳)外資系投資銀行の行員。
桜井真治(さくらいしんじ/35歳)紗季と同じ会社でニューヨーク店勤務。紗季の元恋人。
東谷しおり(ひがしやしおり/25歳)ヨガ仲間のひとりで、紗季の会社の事務系OL。

 

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朝の小説シリーズ

毎朝読みたい小説シリーズ「やっぱり朝は、二度寝が好き。(完)」「シンデレラの朝ごはん(完)」
Written by

石垣モンブラン

幼少期から創作好きで、3歳児で替え歌発表(笑)、小学時代に学習発表会の脚本、絵本を制作、中学から新体操やダンスの振付をはじめる。現在は、小中学生のミュージカル劇団「リトル・ミュージカル」主宰。台詞をこどもたち全員で創るという他にはないミュージカルの脚本原案、作詞作曲、振付を担当。だけど大人の恋愛模様が大好き。ライトノベルや映像脚本も執筆し続ける。

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