(この物語は…毎朝のヨガ習慣をはじめてから108日目を迎えた、ヨガが好きなOL 紗季に、久々に起こる、恋と仕事の変化。朝のヨガスタジオで巻き起こる男女のハートフルなラブストーリー。小説のストーリーに合わせ、毎週おすすめヨガポーズをご紹介します。
Week 7は、再び、主人公紗季の元恋人である真司の視点でストーリーが展開します!)
Vol.49 Week 7 「世界で一番大切にしたいひとは?」 (7)胸に飛び込む
日本に到着するまでのことは、あまり覚えていない。
ずっと鼓動が早いのを、抑えるかのように、ワインをオーダーして2杯飲み干して、最新の観ておこうと思っていた映画をつけっぱなしで寝ていた。
紗季はどんな顔をするのだろう。
僕は何を言えばいいんだろう。
紗季が受け入れてくれる確率の低さを知っているのに、心臓は高鳴った。
成田に辿りついたとき、しおりからの連絡がたくさん来ていることに気付いた。
「真治さん、いてもたってもいられないんです。会いたい、会いたい、会いたい」
しおりの直球の表現。同じ気持ちでいる僕。
「いま成田」
「ごめん、会いにきたのは、しおりちゃんじゃないんだ。本当にごめん」
それだけメールをして、僕は出口へ急いだ。
LINEが震える。
「きちんとふってくれてありがとう」
それだけ見えた。
良かった、しおりも前に踏み出せればいい。
紗季に振られたとき、もったいないと思うのかもしれないけれど、やっぱり紗季のことしか見えないのだ。
LINEがまだ震えていたが、僕は気にしなかった。
(Week8へつづく)
今週のおすすめヨガ「すきのポーズ」
Week 7のおすすめは「すきのポーズ」。
上半身の柔軟性を高めるだけでなく、内臓や神経にも刺激を与える万能のポーズ。ヨガのフローの終盤で取り入れることが多いポーズです。脊柱に刺激を与えます。
「すきのポーズ」の流れ
- 仰向けになり、背中をゆかにぴったりつけて、両足を胴体に近づける。
- 腰を持ち上げ、足を頭上に運び、床に足先を落とす。腰があがるように手でサポートする。
- サポートしている手をはずし、床にぴったりとつける。
(この小説は毎朝4時更新です。続きはまた明日!)
★この物語の登場人物
新城紗季(しんじょうさき/30歳)プロダクトブランド販売会社のマーケティング部につとめる。この物語の主人公。
アレクサンドル・ハミルトン(アレックス)(38歳)フランス系アメリカ人。ヨガスタジオを経営。
相場優斗(あいばゆうと/38歳)外資系投資銀行の行員。
桜井真治(さくらいしんじ/35歳)紗季と同じ会社でニューヨーク店勤務。紗季の元恋人。
東谷しおり(ひがしやしおり/25歳)ヨガ仲間のひとりで、紗季の会社の事務系OL。