【朝の小説:シンデレラの朝ごはん】5章「裸足のままで」Vol.41 鏡ばりの空間

 

No.6

裕也には8週間で6キロ減量に成功したことを伝えていた。

2ヶ月間の”ダイエットがんばる時間”が過ぎて、それほど無理しなくても、ダイエットのペースが掴めてきた。

趣味のパン作りも再開した。

職場でも相変わらず好評を得て、購入する人まで現れた。いまや、毎週月曜は、パン売りの日だ。

でも、何か始めた気にならず、これまでの自分なら、一番選ばないだろうことに挑戦することにした。

それは、ポールダンス。

裸足のまま、ショートレギンス姿で、鏡ばりの中、週に一度稽古に通った。恥ずかしかったが、この状況に否が応でも追い込まれるのは正解だった。

一緒に取り組む相手には、紗江を選んだ。

だって、彼女は、身体を鍛え抜いているプロだ。そして、彼女に挑戦したかったから。

もう、逃げない、と。

(この小説は、毎朝4時更新です。続きはまた明日!)

 

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物語の登場人物

佐藤奈美(30)特許取得を専門とする弁理士事務所に勤める事務員。

結城紗江(30)中堅劇団の舞台女優。奈美と大学サークルの同期。

森野由加利(30)投資銀行に勤めるキャリアウーマン。奈美と大学サークルの同期。

近藤安子(30)専業主婦。一児の母。奈美と大学サークルの同期。

遠野裕也(30)紗江の大学時代の恋人。

伊藤慶太(34)奈美の行きつけの美容室のスタイリスト。

 

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朝の小説シリーズ

毎朝読みたい小説シリーズ「やっぱり朝は、二度寝が好き。(完)」「シンデレラの朝ごはん(完)」
Written by

石垣モンブラン

幼少期から創作好きで、3歳児で替え歌発表(笑)、小学時代に学習発表会の脚本、絵本を制作、中学から新体操やダンスの振付をはじめる。現在は、小中学生のミュージカル劇団「リトル・ミュージカル」主宰。台詞をこどもたち全員で創るという他にはないミュージカルの脚本原案、作詞作曲、振付を担当。だけど大人の恋愛模様が大好き。ライトノベルや映像脚本も執筆し続ける。

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