【朝の恋愛小説:やっぱり朝は二度寝が好き 】 Vol.23 空気の読めない人

 

【朝の恋愛小説】 Vol.23 空気の読めない人

「おっ早いな!オレのこと待ってたか」

今日は、いつにも増して対応する気にもなれない。

「どうしたの?」

こういう時こそ、冷静に応えるのが一番。
これもプログラミングだ。

「なんだよ、つれないな」

「いや、今日は雨だから」

「雨だと?」

はあ、空気が読めない人だらけだ。

「バスだからさ、早く出かけないとで」

「あ、そういうことか、ごめん」

「で、何?」

「あ、あの、あのな、今日の夜空けてあるよな?」

「うん、だって約束じゃない」

「はあ」

演技が下手な誠士だから、分かる。これは、安堵のため息だ。

「てか当たり前だよな、社会人として。お前終わる頃に支店に迎えいくから、おしゃれしてこいよ」

ぶちっと切れた。

えーっと。おしゃれって言った?

足元を見る。黒パンツにブーツ。

女の子に気を遣わせるなんて、出社直前にそんなこと言うなんて
ホント、空気読めないヤツ!

(この小説は、毎日更新です。続きはまた明日!)

 

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物語の登場人物

立川萌乃(もえの) 28歳

静岡出身。銀行の一般職。趣味で、フラワーアレンジメントをならう。早起きできる朝美人に憧れている。

新城雪乃(ゆきの) 28歳

萌乃と同じ高校時代からの友人。なんでも出来る格好いい人物として萌乃からは頼りにされている。

藤井倫太郎(りんたろう)28歳

萌乃、雪乃と同じ高校のサッカー部出身で東京の大学へ進み、留学。外資系投資銀行につとめるいわゆるエリート。

木村ことみ 28歳

萌乃の同期で、同じ支店にずっと勤めている。常識人であり現実主義者。

柳原誠士(せいじ)28歳

萌乃とことみの同期入社である、総合職の銀行マン。

近藤裕太(ゆうた)24歳

萌乃がフラワーアレンジメントの教室の隣にあるパーソナルトレーニングスタジオのトレーナー。

 

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朝の小説シリーズ

毎朝読みたい小説シリーズ「やっぱり朝は、二度寝が好き。(完)」「シンデレラの朝ごはん(完)」
Written by

石垣モンブラン

幼少期から創作好きで、3歳児で替え歌発表(笑)、小学時代に学習発表会の脚本、絵本を制作、中学から新体操やダンスの振付をはじめる。現在は、小中学生のミュージカル劇団「リトル・ミュージカル」主宰。台詞をこどもたち全員で創るという他にはないミュージカルの脚本原案、作詞作曲、振付を担当。だけど大人の恋愛模様が大好き。ライトノベルや映像脚本も執筆し続ける。

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