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いちごの世界にロマンが見える

 

今日のカフェボンボンは、『いちご』

自然の営みのなかで、果てしなく繰り返されるいちごの一生を、大胆な絵と簡潔な言葉で描きます。1975年の発売以来、ロングセラーを続ける絵本です。

文は日本語、英語、フランス語、ドイツ語、イタリア語の五カ国語で表記されています。


20130119

いちご
著者:新宮晋
出版社:文化出版局

いちごってどうしてこんなおいしくて、いい匂いがするんだろう? 

その秘密がこの絵本に描かれている。

大地からギザギザの緑の葉が出て、雨や太陽の光を浴びながら、少しずつ育っていく。
ミツバチと出会い、夕焼けに心ときめいて赤くなる。甘い香りを放ちながら……。

赤い小さな果実は、大自然の一部でもあるのですね。

作者の新宮晋さんは、風や水で動く彫刻で知られる、世界的に有名な造形作家。
水をたたいて音楽を奏でる彫刻もあるそうです。

自然と一体化した彫刻を作る人の目が、宇宙とつながる小さないちごを見つめています。

「私が今まで訪ねたどの国でも、おいしそうにいちごを食べている人たちを見かけました」
本の始まりのこの一文だけで、幸せな気持ちになりました。

いちごの「朝時間」は、大地に伸びる赤いつる。新しい命がつるの先から次々に生まれていきます。

新宮さんのホームページを拝見しますと、ドイツの映画監督による「ブリージング・アース:新宮晋の夢」という作品が完成し、昨年末からドイツ国内で上映開始、パリのルーブル美術館での上映も予定されているそうです。

Love, まっこリ〜ナ

 

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小説から絵本まで、編集者が選ぶ”朝読書”におすすめの1冊
Written by

まっこリ〜ナ

編集者・ライター

出版社勤務を経てフリーランスに。図鑑や写真集、子どもの本や雑誌などの編集に携わる。本がくれる愛のチカラを糧に生きる日々。いちばん好きな本の主人公は長くつ下のピッピ。
趣味は草花園芸、編み物、ランニング、スポーツ観戦。

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