今日のカフェボンボンは、『いちご』。
自然の営みのなかで、果てしなく繰り返されるいちごの一生を、大胆な絵と簡潔な言葉で描きます。1975年の発売以来、ロングセラーを続ける絵本です。
文は日本語、英語、フランス語、ドイツ語、イタリア語の五カ国語で表記されています。
『いちご』
著者:新宮晋
出版社:文化出版局
いちごってどうしてこんなおいしくて、いい匂いがするんだろう?
その秘密がこの絵本に描かれている。
大地からギザギザの緑の葉が出て、雨や太陽の光を浴びながら、少しずつ育っていく。
ミツバチと出会い、夕焼けに心ときめいて赤くなる。甘い香りを放ちながら……。
赤い小さな果実は、大自然の一部でもあるのですね。
作者の新宮晋さんは、風や水で動く彫刻で知られる、世界的に有名な造形作家。
水をたたいて音楽を奏でる彫刻もあるそうです。
自然と一体化した彫刻を作る人の目が、宇宙とつながる小さないちごを見つめています。
「私が今まで訪ねたどの国でも、おいしそうにいちごを食べている人たちを見かけました」
本の始まりのこの一文だけで、幸せな気持ちになりました。
いちごの「朝時間」は、大地に伸びる赤いつる。新しい命がつるの先から次々に生まれていきます。
新宮さんのホームページを拝見しますと、ドイツの映画監督による「ブリージング・アース:新宮晋の夢」という作品が完成し、昨年末からドイツ国内で上映開始、パリのルーブル美術館での上映も予定されているそうです。
Love, まっこリ〜ナ