おはようございます。美習慣コーチの長谷川千尋です。
「また会いたい人」と「一度きりで終わる人」。
この違いは、才能や話術の差ではありません。
実は、人は無意識レベルで「一緒にいて心地よかったか」を基準に、次に会いたいかどうかを決めています。
ここで重要なのが、マナーや所作は「評価されるため」ではなく、相手の脳と感情に安心を与える行為だという事実です。

心地よいマナーが「また会いたい」を生む、3つの理由
多くの人がマナーを「正解・不正解があるもの」「できないと減点されるもの」と捉えがちですが、これは本質ではありません。
本来のマナーは、人の警戒心を下げ、信頼を短時間でつくる技術です。
【1】人は「安全」を感じた相手を、無意識に好む
心理学的に、人は
・声のトーン
・目線
・動作の速さ
・姿勢
といった非言語情報から、「この人は安心か/緊張する相手か」を瞬時に判断しています。
丁寧な挨拶や落ち着いた所作は、「この人は攻撃してこない」「一緒にいて安全だ」というサインを相手の脳に送ります。
安全だと感じた相手は、もう一度会ってもいい存在として記憶されるのです。
【2】所作は「感情の鏡」になる
人の感情は、言葉よりも先に動作に表れ、その動作は、見ている相手の感情を同調させます。
あなたが丁寧に扱えば、相手の心も丁寧な状態に整う。
この「感情の同期」が起きると、相手は理由は分からなくても「なんだか心地よかった」という感覚だけを持ち帰ります。
そして人は、理由より感覚で「また会いたい」を決めるのです。
【3】挨拶は「関係の空気を整える合図」
特に効果が高いのが、相手を待たずに、自分から挨拶すること。
これは単なる礼儀ではありません。
・場の空気を先に整える
・相手の緊張を解く
・関係のスタートをポジティブに定義する
という、極めて合理的な行動です。
挨拶を先に出す人は、相手に「この人といると流れがいい」という印象を残します。
その流れの良さは、信頼感に変わります。
京都・祇園で学んだ、本質的な答え

この考えを、身体感覚として教えてくれたのが、京都・祇園の老舗お茶屋 松八重 の大女将でした。
腰の曲がった大女将が見せる、ふとした手の添え方や目線の向け方。
そこには、言葉以上の「真心」が宿っていました。
「形だけではあきまへん。心が先。」
この言葉は、単なる感覚論ではありません。
形(行動)を整えることで、心(感情)と場(空気)が連鎖的に整う——
極めて論理的な人間理解なのです。
「また会いたい」は、設計できる
「また会いたい」と思われる人は、特別な印象を残そうとしている人ではありません。
・日常の入り口を丁寧に扱い
・相手が安心できる空気を先に整え
・その結果として、自分自身の状態も安定している人
ただ、出会いの最初の一瞬を、少しだけ丁寧に扱っている人なのです。

マナーは、「自分と相手を同時に整える美習慣」。
この視点を持った瞬間から、印象は、静かに、確実に変わり始めます。
人とのご縁は、偶然ではなく、日々の美習慣によって、静かに育てられていくものかもしれません。


